「猫がエンジンルームにいるかもしれない」という意識を持つことが、思わぬ事故を防ぐ第一歩(photoACより「丸岡ジョー」さん撮影、イメージ画像)
「猫がエンジンルームにいるかもしれない」という意識を持つことが、思わぬ事故を防ぐ第一歩(photoACより「丸岡ジョー」さん撮影、イメージ画像)

「猫が車のエンジンルームに入り込むのは冬だけ」--そう思っていませんか?

実は6月も、エンジンルーム内で猫が見つかるケースが多発していることが分かりました。

■ 春に生まれた子猫が活発に動き出す6月

JAF(日本自動車連盟)によると、2024年6月の1カ月間で、全国で381件ものロードサービスが「猫がクルマに入り込んだ」ことを理由に要請されました。これは、前年10月に実施した同様の調査(28件)と比べると、約13倍にもなります。

猫は寒さをしのぐためだけでなく、雨風や外敵を避けるためにエンジンルームに潜り込むことがあります。さらに、春や秋は猫の出産シーズン。6月は春に生まれた子猫たちが活発に動き始める時期のため、思わぬ場所に入り込む可能性が高まります。

■ 気づかずにエンジンON…巻き込まれる事故も

「JAFウェブサイト」によると、ドライバーが猫に気づかないままエンジンをかけてしまい、猫がエンジン周辺の回転部分に巻き込まれるケースも少なくないそうです。万が一、走行後に異音や異変を感じた場合は、無理に自分で取り除こうとせず、ロードサービスや修理工場に連絡することが大切です。

■ 「猫チェック」で命を守ろう

では、どうしたら猫を守れるのでしょうか?

出発前にボンネットを軽く「コンコン」と叩く「猫チェック」は、猫に人の気配を伝える有効な方法です。強く叩くと奥に入り込んでしまうことがあるため、軽く叩いて耳を澄まし、気配を感じたらボンネットを開けて確認を。

さらに、市販の猫よけグッズを使ったり、車周辺に猫が寄り付きにくい環境を整えることも効果的です。 

■ちょっとの習慣が、大切な命を救う

「猫がエンジンルームにいるかもしれない」という意識を持つことが、思わぬ事故を防ぐ第一歩です。ドライバーには道路運送車両法で日常点検が義務付けられていますが、その流れで車に乗り込む前に、猫などが潜んでいないか確認する習慣を。

暑い夏も、寒い冬も。ちょっとした「猫チェック」が、あなたの車と、かけがえのない小さな命を守ってくれます。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)