熱中症ではないが、体に熱がこもってダルい、エアコンをつけても体が熱く眠れない、という経験はないだろうか。
ダイキン工業株式会社は、夏の熱による体調不良全般を「熱あたり」とし、理解促進と対策を広めるためのキャンペーン「みんなで熱あたりしない夏」を始めた。熱中症ほど辛い症状ではないが、寝た気がしない、疲れがとれないなどの軽微な症状が含まれ、意識的に体内の熱を放出する対策が重要となる。症状や対策などを、ダイキンの担当者に話を聞いた。
--熱あたりの症状とは?
担当者:熱中症は熱による体調不良のうちの氷山の一角であり、当社が定義した「熱あたり」は暑い時期の熱による身体的な不調全般を指します。初期症状は「寝た気がしない」「疲れが取れない」「食欲がわかない」など。全国20歳以上の男女14100人を対象とした調査を行うと64.6%、おおよそ3人に2人が「熱当たり」を経験していることが分かりました。これはスギ花粉症を上回る割合で、症状を放置すると熱中症につながる可能性があります。
--「熱あたり」のリスクを低減するには?
担当者:体から熱を逃がしづらい状態が続くと体調不良を引き起こしやすい状態に。外出時はもちろんですが、家の中でも温度や湿度が高い空気がこもった環境ではリスクが高まります。就眠時もエアコンを使い、温度は28℃以下、湿度は60%以下を目安にしましょう。
見えるところに温湿度計を置いておくことも安心につながります。エアコンをつけても湿度が下がらない場合は除湿機を、さらに扇風機などを使って風の流れをつくることも効果的です。汗をかくことも重要で、水を飲むときは一気に飲まず、こまめに飲むのがポイント。屋外での目安は20分30分に1回100ml程度です。室内でも時間を決め、1日に180ml/コップ1杯✕8回を目安に水を補給しましょう。
--プロジェクトの目標は?
担当者:暮らしの中で身の回りの「熱」を具体的にイメージすることは少ないと思いますが、人が健康的に暮らすうえで、「熱との上手なつきあい方」は大切です。「熱あたり」の情報発信を通じて夏場の健康的な暮らしのための「熱とのつきあい方」を知っていただき、多くの方々の快適で健康的な暮らしの一助になればと思っています。
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SNSでは「熱がこもると頭痛がする」「意識して放熱しないと」「他人に指摘されて初めて熱がこもっていることに気づいた」などの意見が。自分の体をよく観察しながら夏を乗り切りたい。
(まいどなニュース特約・米田 ゆきほ)