車の臭いの原因は? ※画像はイメージです(Daphnia/stock.adobe.com)
車の臭いの原因は? ※画像はイメージです(Daphnia/stock.adobe.com)

車の臭いの原因はさまざまなパターンがありますが、なかなかその原因や場所を突き止めきれずに、不快な臭いに悩まされるという人も多いのではないでしょうか。

そこで、車の臭いの発生源やそれぞれに応じた対策グッズや方法を現役整備士が解説します。

■【箇所別】車の臭いの原因は?

車の臭いの原因となる場所は以下のような箇所が考えられます。

・エアコンシステム
・シート
・フロアマット
・エンジンルーム(外気)

各箇所の臭いの原因について説明します。

▽エアコンシステムの臭いの原因はカビ

エアコンの吹き出し口から出てくる風に乗ってにおってくる臭いは、カビの臭いであることがほとんどです。

エアコンシステム内にあるエバポレータと呼ばれる部品は、冷房使用時に結露が発生します。この結露水が原因でカビが発生するケースがあります。

▽シートやフロアマットに染み付いた臭い

シートやフロアマットに染み付いた臭いの元は、さまざまなパターンが考えられます。

・タバコの臭い
・飲食物をこぼした
・ペットの臭い
・汗の臭い
・芳香剤の臭い

中古車などであれば前のオーナーの芳香剤の臭いが苦手で、どうにかしたいという方もいらっしゃるでしょう。

また、タバコやペットの臭いはかなりしつこく残りがちです。タバコの場合はガラスにしつこく付着したヤニも臭いの元になります。

▽エンジンルームからの臭いの原因は?

一時的なエンジンルームからの臭いであれば、外気導入にしていて車内に入ってくる前走車の排気ガスや、周囲の環境によることが考えられます。

一方で臭いが慢性的であれば、エンジンルーム内でオイルや冷却水の漏れが発生していて、それが臭いの原因である可能性があります。

■車の臭いの取り方(車内のシート・フロアマット編)

車の臭いの取り方には、大きく分けて2つ方法があります。

ひとつは「消臭」、ひとつは「別の匂いで不快な臭いを消す」方法です。

それ以外にも有効な臭いの取り方もあるのでまとめて紹介します。

▽消臭グッズで臭いを取る

カー用品店やホームセンターには、車内消臭に特化したグッズが販売されています。

整備工場では、消臭や除菌を謳った整備メニューを案内しているところもあります。

スチームタイプで車内を消臭剤で充満させる方法と、スプレータイプで気になる箇所に直接噴霧する方法があります。

シートやフロアマットに付着した臭いにはこれらの方法が有効です。

▽別の匂いで不快な臭いを消す

消臭を試してもどうしても臭いが取れないときは、好みの芳香剤などの別の匂いで誤魔化す方法も有効です。

ただし、さまざまな臭いが混ざってしまい、自分は問題なくても他人にとっては不快と感じることもあるので注意が必要です。

▽リンサークリーナーやスチームクリーナーを使う

シートやフロアマットなどの布部品の臭いを取るためには、リンサークリーナーやスチームクリーナーを使用して、染み付いた汚れや臭いをまとめて除去する方法もおすすめです。もっとも正攻法だとも言える方法のひとつです。

▽天日干しする

天日干しには、殺菌や消臭効果が期待できます。

フロアマットの場合、同時にカーシャンプー等で構わないので洗浄したうえで天日干しすれば、より消臭効果が得られるでしょう。

シートは車から取り外す必要があるので、作業に慣れた自信のある方のみチャレンジをおすすめします。

▽【補足】タバコ臭への対応

タバコ臭はシートやフロアマットのみならず、ガラスに付着したヤニも原因となるので、ここまで紹介した臭い取りと合わせて、臭い取りを実践する前にガラスの清掃も必要です。

ガラスの清掃は、たっぷり水を含ませたタオルで窓を拭き、濡れたガラスを今度は乾いたタオルで拭き取ります。タオルに茶色いヤニ汚れがつかなくなるまでこれを繰り返します。

また、ガラスのみならずダッシュボード上やドアパネルなども同様の方法で拭きあげておくことをおすすめします。

■車の臭いの取り方(エアコン編)

エアコンの臭いを取る方法をいくつか紹介します。

▽エアコンフィルターを交換する

まずは消耗品のエアコンフィルターを交換しましょう。

汚れや詰まりだけではなく、カビが発生しているケースも多くあります。

エアコンの臭いが完全に取れる可能性は高くないですが、十分に原因としては考えられる箇所です。

▽スチームタイプの消臭・除菌剤を使用する

スチームタイプの消臭・除菌剤は、エアコンを稼働させながら使用するものが多く、先ほど解説した車内空間のみならず、エアコンシステム内も同時に消臭・除菌してくれる商品がほとんどです。

手軽にチャレンジできる方法なのでおすすめです。

▽エバポレーターの洗浄・除菌をする

エアコンの臭いの原因の多くはエバポレーターのカビや湿気です。そのエバポレーターを直接洗浄することで、この原因を取り除く方法です。

車種によって、DIYで手軽にチャレンジできるものもあれば、プロに依頼しなければ作業が困難なものもあるので、事前に確認が必要です。

■車の臭いの取り方(エンジンルーム編)

エアコンの外気導入時に室内に入ってくる臭いがエンジンルーム内のオイル漏れや冷却水漏れが原因の場合は、それらの不具合箇所を修理しなければ臭いは取れません。

■車の臭い消しおすすめグッズ

車の臭いを消すためのグッズを以下の4つ(5つ)の種類ごとに分けて、おすすめのものを紹介します。

・スチームタイプ
・(スプレータイプ)
・エバポレーター洗浄
・リンサークリーナー
・車載用空気清浄機

▽超強力消臭効果のスチームタイプ

カーメイト(CARMATE) ドクターデオ プレミアムゴールド スチームタイプ 循環 無香 D287

Dr.DEOの製品はカー用品店やホームセンターであれば、どこでも置いてあるほどにカーユーザーに浸透したアイテムをラインナップしています。

この商品はそのなかでも高価格帯のものですが、同社製品のベーシックシリーズとの対比で400%もの消臭効果を誇るプレミアムゴールドシリーズの、スチームタイプ消臭剤です。

これひとつあればエアコン内部のみならず、シートなどに付着した嫌な臭いにも効果的です。

なかなか臭いの取れづらい、ペットの臭いやタバコの臭いにも効きめがあるという声も多く、一度は試す価値のある消臭剤です。

また、スチームタイプだけではなく手軽に使えるスプレータイプもラインナップされています。

カーメイト(CARMATE) ドクターデオ プレミアムゴールド スプレータイプ 無香 D276

▽安心ブランドのエバポレーター洗浄剤

タクティー (TACTI) ドライブジョイ(DRIVE JOY) 自動車用 ACエバポレーター洗浄剤 クイックエバポレータークリーナーV 60ml V9354-0009 DJ

エアコンフィルターを取り外し、エアコンシステム内部に向けて噴射して使用する、ドライブジョイ製のエバポレーター洗浄剤です。

ドライブジョイは「トヨタモビリティパーツ株式会社」が開発・販売しているブランドです。

このエバポレーター洗浄剤は、整備工場やディーラーでも実際に使われている安心のトヨタブランドで、実績と信頼のある製品です。

1年ほどの抗菌持続効果があり、本格的にエアコンを使用する夏前にエアコンフィルターの交換と合わせて施工するのがおすすめです。

▽リンサークリーナー

【Amazon.co.jp限定】ハンディリンサー A-RNS-B200D

シートの臭いや汚れが気になる方は、リンサークリーナーを使用した清掃をおすすめします。

こちらの製品はアイリスオーヤマ製のコードレスハンディタイプです。

一度の充電で洗浄できるのはシート1脚分程度が目安ですが、片手でも使える手軽さがおすすめです。

リンサークリーナーにはさまざまなタイプがあるので、好みの製品を選んでみてください。

▽車用の空気清浄機

シャープ プラズマクラスター イオン発生機 車載用 カップ型 最高濃度 NEXT(50000) 消臭 ブラック IG-MX15-B

アクセサリーソケット(シガーソケット)またはUSBポートから電源を取って使用する、車載タイプの空気清浄機です。

家庭用の空気清浄機でもお馴染みの、シャープ プラズマクラスターブランド製品です。

ドリンクホルダーに収まるサイズなので、すっきりと設置させることができます。

車内の6大付着臭【カビ臭・汗臭・体臭・食べ物臭・タバコ臭・ペット臭】に効果があるとされています。

「これまで気になっていた臭いも消えた」というレビューも多くあり、さらに車内の花粉の低減にも効果があるので、長く愛用していて手放せないという方も少なくありません。

消臭剤独特の薬品、塩素系の臭いが苦手という方は一度試してみてはいかがでしょうか。

■整備士のまとめ

車の臭いを取る方法は多種多様です。また、それぞれの方法ごとにさまざまな製品が販売されています。

どの方法、どの製品がもっとも効果的かはやってみないと分からないケースが多く、一度で満足のいく消臭効果が得られるとは限りません。

特にタバコ臭はしつこく残りやすいので根気強く時間を掛けて臭い取りを続ける必要があります。

また、エアコンの臭い取りは定期的に行うことで、未然に不快な臭いを防ぐことにつながるので、臭いが気にならなくなった後もメンテナンスの一環として続けていくことをおすすめします。

   ◇  ◇

◆整備士・ヒロ
国産ディーラー、輸入車ディーラーで勤務してきた2級自動車整備士。整備士経験は10年以上で、過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場したことも。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。

(まいどなニュース/norico)