学校教育のデジタル化が進んでいる ※画像はイメージです(milatas/stock.adobe.com)
学校教育のデジタル化が進んでいる ※画像はイメージです(milatas/stock.adobe.com)

公益財団法人博報堂教育財団(東京都千代田区)の調査研究機関『こども研究所』は、このほど「学校教育で進むデジタル化の様子」に関する調査結果を発表しました。それによると、「授業や宿題で動画を見ることがある」と答えた子どもが約7割を占め、学校教育のデジタル化が進んでいる一方で、学校で文章を書く際は「手書きがいい」と答えた保護者が過半数となるなど、子どもと保護者に意識差があることがわかりました。

調査は、全国小学4年生~中学3年生1200人、およびその保護者1200人を対象として、2025年7月にインターネットで実施されました。

まず、デジタル関連について「いま通っている学校にあてはまるもの」を聞いたところ、「授業や宿題で動画を見ることがある」(68.7%)が最も多く、次いで「宿題をタブレットで提出することがある」(62.7%)、「クラスの連絡がオンラインでくる」(60.3%)などが上位に挙がったほか、「プログラミングの授業がある/あった」(50.3%)や「授業で生成AIを使ったことがある」(20.4%)といった回答も見られ、学校教育や学校生活においてデジタル化が着実に進んでいる様子がうかがえました。

次に、「学校へ対しての考え方」について聞いた質問では、保護者は「文章を書くときは、手書きがいい」が57.3%を占めたのに対して、子どもは「文章を書くときは、キーボード入力がいい」が43.8%となり、「手書きがいい」(30.8%)を上回りました。

また、保護者は「紙の教科書がいい」が60.7%となったのに対して、子どもは39.9%と低くなったものの、「デジタルの教科書がいい」も34.8%と、「紙」と「デジタル」が拮抗する結果となり、デジタル化に対する子どもと保護者の意識差が見られました。

なお、デジタル関連以外で「いま通っている学校についてあてはまるもの」としては、「教室にエアコンがある」(89.0%)、「クラスの名簿が男女混合」(68.7%)、「先生は生徒を『さん』づけでよぶ」(67.5%)、「困ったとき、スクールカウンセラーに相談できる」(66.8%)などが挙がり、社会や環境の変化に伴ういまの学校の姿がうかがえました。

また、中学生では「制服は女子もスラックスを選べる」(64.6%)、小学生では「ランドセルの色は黒・赤以外の子が多い」(63.9%)が6割を超えており、実態として学校やクラスの中で多様化が進んでいる様子が見える結果となりました。