MENTAGRAPH株式会社(東京都中央区)は、このほど「ハラスメントの基準」に関する調査結果を発表しました。同調査によると、ハラスメントとみなされやすい行動は、管理職・非管理職いずれも「業務時間外のLINE連絡」が最多となりました。
調査は、22~65歳のビジネスパーソン1800人(管理職900人・非管理職900人)を対象として、2024年12月にインターネットで実施されました。
業務内で行われる様々な行為について、「ハラスメントの基準に関して当てはまるもの」を聞いたところ、ハラスメントとみなす割合(当てはまる+やや当てはまる)が最も多かったのは「業務時間外のLINE連絡」(28.6%)でした。
次いで「肩を叩く」(26.6%)、「若いから体力があるという発言」「下の名前での呼び捨て」(いずれも25.4%)が続きました。一方で、「業務上の指導での怒号」(14.9%)は少数派となり、大声よりも接触・呼称が問題視されやすい傾向がみられました。
これを役職別に見ると、管理職と非管理職の認識に最も差が大きかったのは「肩を叩く」(非管理職30.2%、管理職22.9%)行為で、ギャップは+7.3ptという結果になりました。
次いで「若いから体力があるという発言」が+6.0pt(非管理職28.5%、管理職22.4%)、「髪型・服装への指摘」が+4.3pt(非管理職25.5%、管理職21.1%)、「業務時間外のLINE連絡」が+4.0pt(非管理職30.6%、管理職26.6%)、「下の名前での呼び捨て」が+3.9pt(非管理職:27.3%、管理職:23.5%)など、いずれも身体的接触や属性・外見への言及、私的時間への侵入といった“グレーになりやすい行為”が並び、現場(非管理職)はリスクとして敏感に捉える一方、管理職は「コミュニケーションの一形態」「指導の一環」と捉えがちで線引きが甘くなりやすい可能性が示唆されました。
さらに、管理職に対して、「自分の意図と違って捉えられた経験」を尋ねると、「部下の興味・特徴の把握」(57.0%)が突出し、次いで「会社方針の伝達」(12.2%)、「目標・進捗管理」(10.7%)が続きました。
これらの調査結果を踏まえて同社は、「支援意図が詮索・干渉に映る危険性があることから、目的の共有、同意の取得、頻度の合意というプロセスを挟み、情報の取り扱い範囲を事前に示すことが求められる」とコメントしています。