丹波篠山市の名産品として全国的にも知られる「黒枝豆」の販売が10日、市内各地で解禁された。丹波を代表する秋の味覚を求めて兵庫県内外から多くの客が訪れ、直売所などで行列をつくった。
黒枝豆は最高級の黒大豆「丹波黒」を完熟前に収穫したもの。大粒で独特の甘みやコクがあるのが特長。販売解禁日は、さやの厚みが12ミリを超える時期を見計らって設定している。今年は9月の暑さなどもあり、粒の膨らみが遅れ、昨年より3日遅い解禁となった。
市内では約2600戸が黒大豆を生産。農家は短い梅雨や高温少雨に苦労したものの、関係者は「さや数もあり、実も充実している」と出来栄えを誇っていた。
黒豆卸の老舗「小田垣商店」で枝付きを購入した椋本美幸さん(38)=大阪府吹田市=は「味が濃く、ほかと全然違う。友人らにも配りたい」と笑顔。神戸市北区から訪れた女性は「ゆでて、ビールと一緒に味わいたい」と待ちきれない様子だった。(堀井正純)