SNSに投稿された、コブ状にぷくっと膨らんでいる魚の骨の画像が話題だ。
「魚食べてたら骨に豆みたいなのついてた、なんだこれ」と投稿された画像には、魚の背骨にまるで豆粒のようなコブが。一体これは何なのか…?
調べるとこれは「鳴門骨(なるとぼね)」と言い、魚が激しい潮流の中で泳ぎ続けた結果、疲労骨折し、回復する時に形成されるもの。「激流を生き抜いた勇者の証」とも捉えられ、古くから幸運を呼ぶ縁起物として珍重されてきたものだそう。
江戸時代前期の文献(1697年)にはすでに、マダイの骨のコブについて記述が残っており、「鯛が阿波の鳴門海峡の厳しい潮流を乗り切ることで疲れて骨にコブができる」という俗説が広がっていたということだ。
鳴門海峡は徳島県と兵庫県の淡路島の間にある海峡。世界一大きい渦潮や、激しく早い潮流は、イタリアのメッシーナ海峡、カナダのセイモア海峡と並び、世界三大潮流として数えられている。魚にとっては過酷な環境だが、その流れに負けないように泳ぐからこそ、身が締まり、美味しい魚に育つそうだ。
SNSでは「縁起のいい骨!」「マラカスみたい」「骨折するほど頑張って泳いだ魚はさぞ美味しかったでしょう」「太刀魚で見たことがある」「メルカリにも出品されてるよ」などの反響が寄せられた。食べていた魚からコブ状の骨が出てきたら驚く人も多いと思うが問題なし。食卓で発見したら幸運を呼ぶシンボルとして洗って保存し、お守りにしてみてもいいかもしれない。
(まいどなニュース特約・米田 ゆきほ)