タエ(北川景子)と三之丞(板垣李光人)が身を寄せる寺の住職を演じる湯浅崇 (C)NHK
タエ(北川景子)と三之丞(板垣李光人)が身を寄せる寺の住職を演じる湯浅崇 (C)NHK

連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK総合ほか)、今週は第7週「オトキサン、ジョチュウ、OK?」を放送中。トキ(髙石あかり)はヘブン(トミー・バストウ)の女中として働くことになった。さらに取り立てが厳しくなった松野家の借金返済をまかなうため、また、物乞いをするまでに貧窮したタエ(北川景子)と三之丞(板垣李光人)を救うために決心したのだった。

■「湯浅崇をさがせ!」

タエと三之丞は、寺の一角にある廃屋に身を寄せている。その寺の住職役で、BK(NHK大阪放送局)制作の朝ドラではおなじみの名バイプレイヤー・湯浅崇が登場した。「よろしければ」と、タエにむすび飯を差し出す住職は、どうやら毎日この親子に食べ物をあげているようだ。

湯浅はこれまでに通算14作の朝ドラ(うち13作がBK作品)に出演しており、『ばけばけ』が15作目の朝ドラ出演となる。もはやBKの朝ドラファンにとっては「湯浅さんが今度はどんな役で登場するのか」がお楽しみのひとつとなっている。「ウォーリーをさがせ!」ならぬ「湯浅崇をさがせ!」といったところだろうか。

■カンヌ俳優となった今でも現場のムードメーカー

湯浅崇の起用について制作統括の橋爪國臣さんに聞いた。

「湯浅さんとご一緒するのは『あなたのブツが、ここに』(2022年)、『ブギウギ』(2023年後期)に続いて『ばけばけ』で3作目になります。大阪制作のドラマになくてはならない存在で、ものすごくいいお芝居をなさる役者さん。現場のムードメーカーでもあり、とても信頼しています。湯浅さんも今や、カンヌ俳優ですからね」

湯浅が主演した短編映画『人間農場』(2024年)が2025年5月に行われたカンヌ国際映画祭で上映されたのだ。そんなカンヌ俳優・湯浅崇の現場での様子を聞くと、

「タエたちが身を寄せるお寺の住職という役どころを台本を読んでよく理解されて、現場はスムーズに進んだと思いますけれど、『やっぱり頭が禿げた役なんですね』とおっしゃっていました(笑)。『カツラを被って、もう一役やれますかね』と、いつもの『湯浅さんトーク』を繰り広げて、現場を和ませてくださいました」

とのこと。ちなみに湯浅は『舞いあがれ!』(2022年後期)で、町工場経営者の初代と二代目の2役を、カツラなし/ありで演じ分けている。『ばけばけ』にも再び登場するのだろうか。そこにも注目したい。

(まいどなニュース特約・佐野 華英)