池で羽を広げるコウノトリ(画像提供:なつまきさん)
池で羽を広げるコウノトリ(画像提供:なつまきさん)

「びっくり!!  狭い水路にコウノトリの集団です」

そんなコメントとともに投稿された1枚の写真が、大きな注目を集めています。細い水路のまわりには20羽以上のコウノトリが集まり、左下から右上へと伸びる水路沿いに白い姿が点々と並ぶ様子は圧巻です。

コウノトリは生息環境の悪化などによって日本の野生個体が姿を消し、1971年には一度絶滅した絶滅危惧種。現在見られるのは、兵庫県豊岡市を中心に進められてきた野生復帰プロジェクトにより放鳥された個体と、その子どもたちです。

豊岡市立コウノトリ文化会館の公式サイトによると、2025年現在、国内には約500羽の野生個体が生息しているとのこと。今回の写真は、そんな貴重な鳥たちが群れで水辺に集まる瞬間をとらえた珍しい一枚といえます。投稿主のXユーザー・なつまきさん(@4YEhVd3uN37tkmZ)にお話を伺いました。

■「そっと見守ってほしい」コウノトリの様子は?

ーー撮影時の状況について教えてください。

「この地域の池や田んぼでは以前から多くのコウノトリが見られることがあり、私自身も昨年70羽ほどの群れを見ています。今年は、撮影した翌日には90羽ほどになっていたようです」

ーーコウノトリたちはどんな様子で過ごしていましたか。

「このときは小魚を獲っているようでした。餌を食べたり、取り合いをしたり、疲れると畦(あぜ)で休憩したりしていましたね。1メートルほどの距離までは平気で近づいてくるので、こちらが焦る場面もありました」

ーー水路に集まるコウノトリに驚く声もたくさんありましたね。

「環境の変化もあると思いますが、年々コウノトリの数が増えてきており、従来の餌場だけでは足りなくなっているのだと思います。そのため、いろいろな場所で見かけるようになりました」

ーー今回の投稿が大きな反響を呼びましたが、どのように受け止められているか教えてください。

「ふだんからコウノトリやきれいだと思った景色をときどき投稿しています。今回も驚きの風景だったので投稿したところ、思いのほか多くの方に見ていただけて驚きました。いつも見てくださる数名の方へのお知らせのつもりだったので、広がりの速さに少し戸惑いましたね。驚いている人が多かった印象です。絶滅危惧種のコウノトリがこれほど多くいることを知ってもらえて良かったと思いました」

ーーコウノトリの保護や見守りについて、どのような思いをお持ちですか。

「コウノトリの保護にはとても関心があり、ここまで増えたコウノトリが人間社会と共存する難しさを感じています。繁殖場所や採餌場所など、どこまで人間が関わるべきなのか…私には見守ることしかできません。観察は定期的に続けています。今は兵庫県南部で多く見られる時期でもあります。多くの人に知ってもらえるのは嬉しいですが、とても繊細な生き物なので、遠くからそっと見守ってほしいと思います」

リプライには、この光景に驚く声が次々と寄せられています。

「すごい数ですね」
「これはすごい! 私も見たいです」
「こんなにたくさんいるんですね! 良かった」
「絶滅危惧種だからこんなにいると嬉しいですね」
「餌となるドジョウとか小魚がたくさんいるんでしょうか」
「今は1箇所にこんなにいるくらい増えてるんですね! すごい」
「近所の池でもごくまれに単体では見るけどこれはすごい数」
「コウノトリ保護・繁殖地の豊岡でもこんなに集まってるのはなかなか見ないのよ」
「もっとたくさん増えますように。突然こんな集団見たらびっくりするね。縁起がいいなぁ」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)