茶トラの男の子「きなこ」くんは、3回目の「うちの子記念日」を迎えました。出会った当時、車のエンジンルームに入り込んで怯えていたきなこくん。その体はすっぽりと手の中に収まるほど小さく、とても痩せていました。Threadsユーザー・まっちゃさん(@matcha_tabigasuki)は、その小さな命に手を差し伸べたのですー。
■一体どこから!?突然聞こえてきた子猫の鳴き声
2022年9月29日、夜8時半ごろ。飼い主さんは、どこからともなく子猫の悲痛な鳴き声がすることに気づきました。しばらくしても鳴き止むことがなかったため、いてもたってもいられず外へ探しに出たのです。
「あちこち探し回ったところ、自宅から100メートルほど離れた駐車場から声が聞こえてくることがわかりました。ところが、どこを探しても姿が見えないんです。仕方なく一度家に戻ったのですが…また鳴き声を耳にして駐車場へ。ようやく、車の下に小さな子猫がいるのを見つけました」
子猫は車のエンジンルームに入り込んでいて、出てこようとしませんでした。困り果てて立ち尽くす飼い主さんに手を貸してくれたのは、警察官だったといいます。
「何とか子猫を助け出してくださって…感謝の気持ちを伝えて、子猫を受け取りました」
家へ戻る道すがら、飼い主さんは「このあとどうするのが一番いいのだろう」と考えたといいます。
「それまで保護した猫を迎え入れた経験がありませんでした。すでに我が家には先住犬もいたため、不慣れな私が引き取っていいものか…いろいろと考えがめぐったんです」
それでも子猫との出会いには強く縁を感じ、その温もりに触れ、「この子を幸せにしたい」という思いが込み上がりました。
「最終的に、家族として迎え入れることを決めました。それが、当時生後推定1カ月ほどだったきなこです。名前は、茶トラ猫としては被毛の色が薄く、きな粉のような色合いだったことから名づけました」
■普段はやんちゃだけれど…悲しみを支えてくれる存在に
きなこくんを連れて帰宅した飼い主さん。すでに夜も更けていたため、その日は先住犬が使っていたケージのなかで過ごしてもらうことにしました。
「SNSで猫と暮らしている飼い主さんたちに相談すると、トイレのことなどみなさんとても優しく教えてくださって、本当に助かりました」
きなこくんは不安からか、シャーシャーと威嚇し、鳴いていたといいます。
「翌日仕事を終えたあと、きなこを連れて動物病院へ。検査の結果は心配するようなこともなく、ホッとしました」
こうしてきなこくんとの暮らしが始まりましたが、飼い主さんは驚かされることが多く、安全な生活環境を整えるために試行錯誤しました。
「とにかく猫は動きが早く、一瞬の隙をついて脱走しようとするので、まったく気が抜けませんでした。万が一のことを考えて、今は脱走対策として、位置情報などを確認できるタグ付きの首輪をつけています」
生後2カ月を迎えるころには、やんちゃぶりがピークに…!
「カーテンをよじ登ったり、和室のふすまを爪で穴だらけにしたり…元気いっぱいなきなこに翻弄される日々が続きましたが、それも今ではいい思い出です」
きなこくんは、手厚いケアと愛情を受けてすくすくと成長しました。そして昨年、17年を共に過ごした先住犬が虹の橋へ。飼い主さんは深い悲しみに沈み、泣きながら過ごす日々が続いたといいます。
「私が泣いていると、きなこがやって来て寄り添うようにそばに座ってくれたんです。あのとき、きなこがいてくれて本当に救われました」
■笑顔をもたらしてくれるきなこくん「これからも一緒に」
きなこくんは現在3歳。保護当時は体重わずか480gでしたが、今では5.6kgに。たくましく成長しました。
「愛嬌があって活発、好奇心旺盛な子です。パワフルで元気いっぱい。そして、とても感情表現が豊かで、ときどき『実は人間なのでは?』と疑いたくなることも…手を焼くこともありますが、愛おしくてたまりません」
ともに歩んだ日々を振り返って、飼い主さんが抱くきなこくんへの思いとはー。
「我が家に来てくれて、そしてたくさんの笑いと癒やしを与えてくれてありがとう。やんちゃ坊主だけれど、大切な家族だよ。これからも健康で長生きしてね」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)
























