ランドセルをめぐる議論がSNSで盛り上がるなか、ある投稿が多くの共感を集めている。
「そうだランドセルで荒れてるけど、長男に小学校卒業した後ランドセルリメイクしてあげたよ」
そう投稿したのは、Xユーザーの「さおぱんちゃん メタプラガチホ」さん(@psaopanchanp)。小学校卒業後のランドセルを財布やパスケース、キーケース、キーホルダーへとリメイクし、中学1年生の長男(13歳)へサプライズで手渡したという。
箱を開けた瞬間、息子さんは一度固まり、こう言った。
「何も説明がなくても、これが何か分かる」
その言葉に、多くの人が胸を打たれた。
■卒業前から決めていた「リメイク」という選択
リメイクを決めたのは、卒業前からだった。SNSでランドセルリメイクを知り、「これは素敵だな」と思ったのがきっかけだという。
「受付が早く終わることもあると聞いていたので、卒業後すぐに申し込みました」
完成までには時間がかかった。そのため、あえて何の前触れもなく「はい、プレゼント」と渡した。
誕生日でもクリスマスでもない日。息子さんは不思議そうな表情を浮かべながら箱を開け、ランドセルだった革製品を見て理解したという。
「普段あまり感情を表に出すタイプではないんです。でも、わくわくや戸惑いから、感動と喜びに変わる瞬間が見られて、親としてとても嬉しかったです」
後日あらためて感想を聞くと、息子さんは「久しぶりに会えたんだから、嬉しいに決まってる」と話した。
■10万円近いランドセル、その“その後”は?
ランドセルは神田屋鞄で購入。色やステッチ、裏地まで子ども自身が選んだオーダーメイド品だった。
「タブレットで楽しそうに選んでいて、“自分だけのランドセル”を作れたことが印象的でした」
リメイクはセイバンに依頼。他社製品にも対応していること、シンプルで日常使いできるデザイン、そして約1万8000円という価格が決め手だった。仕上がりについては「想像以上に丁寧。革の風合いもそのまま活かされていて大満足」と語る。
■「500円ランドセルも賛成派」その真意
投稿では「500円ランドセルも賛成派」とも記している。背景にあるのは、「子どもの気持ちを大切にしたい」という考えだ。
「大人目線ではコスパ重視という考えも分かります。でも、自分で選んだランドセルの嬉しさは今でも覚えています。だから、子どもにも“自分で選んだ”“大切にされた”と感じられる体験をしてほしい」
もし低価格や中古という選択肢があるなら、「同じ予算の中で示して、本人が価値を感じる方を選ばせるのも素敵」と話す。
■「寄付した」「相棒が帰ってきた」さまざまな声
投稿には多様な反応が寄せられた。
「東日本大震災の被災地に寄付した」という声。「相棒が帰ってきた!!」と喜ぶ別の家庭。「自分が子どものリメイク財布を使いたい」という親の声もあった。
さおぱんちゃんさんはこう受け止める。
「どのエピソードも素敵でした。寄付という形も素晴らしいですし、“相棒が帰ってきた”という声も可愛らしくて。ほとんどが温かい反応で嬉しかったです」
■ランドセルは「愛情を伝えるきっかけ」
ランドセルは6年間の象徴。だが、卒業後は押し入れに眠ることも多い。リメイクするか、寄付するか、処分するか…選択は家庭ごとに違う。
「どれも素敵な選択だと思います。それぞれのご家庭らしい形で、一生に一度のイベントを楽しんでほしい」
“何も説明がなくても分かる”。それは、6年間の記憶が、確かにそこに刻まれていたからだ。ランドセルは、ただの鞄ではない。子どもと親の時間を、そっとつなぐ存在なのかもしれない。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

























