御年23歳 人間なら108歳の「ぴっぴ」(画像:三協精器工業)
御年23歳 人間なら108歳の「ぴっぴ」(画像:三協精器工業)

大阪市東淀川区、阪急電車の上新庄駅からほど近い「三協精器工業株式会社」には、人間でいえば108歳に相当するメスの黒猫「ぴっぴ」が暮らしている。23歳という長寿ながら、今なお元気な姿を見るために同社を訪れた。

■実年齢はもっと上かも? 写真から判明した驚きの事実

同社で猫の世話を任されている「猫乳母」こと大西久代さんは、「本当の年齢は、もっと上かもしれません」と語る。

ぴっぴは保護猫のため、正確な生年月日は不明が分かっていない。当初、獣医の推定では20歳前後とされていた。しかし最近、先代の社長宅で見つかった写真の日付から、少なくとも23歳は確実で、実際はもっと上かもしれないということだ。

ぴっぴが同社へやってきたのは2018年。当初から他の猫とは一定の距離を保ち、唯一仲の良かった猫が旅立ってからは、より一層「孤高の存在」として過ごしているそうだ。

「歳のせいで、白髪が増えてきたんですよ」と語るのは、同社で広報を担当する三枝さあやさん。猫の白髪も人と同じで、加齢現象のひとつだ。ぴっぴは、遠目にも白髪が多いのが分かる。とりわけ顔と足先に、ゴマ塩をまぶしたような白髪が目立つ。

人間でいえば108歳の「茶寿」にあたるぴっぴだが、その動きからは歳を感じさせない。実際ぴっぴに会ってみると、テーブルから飛び降りる際はしっかり着地するし、歩き方を見ても足腰はしっかりしている。

「ごはんはモリモリ食べるし、お水も自分から飲みに行くし、階段の上り下りも軽やかです」(三枝さん)

半年ほど前に血液検査を受けたときの数値は、「年齢のわりには、いたって健康」と獣医が驚いていたほどだという。

■猫嫌いで人間好きな気難しいお婆ちゃん猫

三協精器工業は様々な種類のバネを製造する会社で、副社長の茶トラ猫「チャトラン」をはじめ、専務の「こんぶ」、常務の「ロイ」、常務付秘書の「ネリ」ほか、熊本から転勤してきたいちばん若手の「豆介」にいたるまで13匹の猫が暮らしている。オフィス内を自由に動き回れるため、社員のデスクで副社長がお昼寝中という光景も珍しくない。

その中でもぴっぴは、もちろん最高齢。かつては近づく猫を威嚇する気の強さを見せていたが、最近はすっかり性格が丸くなり、静かにその場を離れる「大人の対応」を見せるようになった。

一方で、人間が大好き。取材に訪れた日、ほぼ初対面にもかかわらず頭をスリスリしてくるし、猫語でニャゴニャゴと話しかけてくれた。

ちなみに同社でぴっぴの次に高齢なのが副社長のチャトランで、今年で12歳。昨年は人の年齢でいえば還暦を迎え、盛大なお祝いが行われた。

癒し効果を与えてくれる猫たちがいる社内は、雰囲気も穏やか。そんな三協精器工業は、バネ製造の枠を超えた挑戦も続けている。北海道でサフォーク種羊料理の専門店経営と自社牧場の運営、さらには羊の胎盤から抽出されるプラセンタを配合したオリジナル化粧品ブランド「SOYUL(ソユール)」の展開など。ぴっぴ婆さんの元気な姿は、新領域へ挑戦する同社の活気を象徴しているかのようだ。

(まいどなニュース特約・平藤 清刀)