元セクシー女優のフリーライター・たかなし亜妖
元セクシー女優のフリーライター・たかなし亜妖

風俗店への客足が少なくなっている昨今、チャットレディ(以下:チャトレ)が再び盛り上がりを見せています。一時期は低迷していたとのことですが、配信文化の流行により再熱しているようです。国内のみならず、海外で活躍するパフォーマー(チャトレ業界での演者の総称)も増えました。

ノンアダルト・アダルトとカテゴリーは分かれており、稼げるのはもちろんオトナ向け。カメラの前でマスクをしたパフォーマーが“1人遊び”をするだけでお客さんが集まるため、人の多いプラットフォームなら驚きの稼ぎが期待できるでしょう。

しかし、全世界配信で活躍すればデメリットがいっぱいです。「触られない・ストーカーのリスクがない」などのメリットだけを見て始めてしまう女性が山ほどおり、時間が経ってから後悔するケースが多発しています。

■「チャトレは稼げる」、風俗に疲れて始めた結果……

チャトレの稼げる理由はなんといっても、稼ぎが青天井なこと。「パーティーチャット」と呼ばれる大多数が参加できる有料閲覧だと、見に来た人数×時間(秒単位でお金が発生)=給料が発生します。人が集まれば集まるほど収益が生まれ、固定ファンを作りやすくする利点があるため、高収入なパフォーマーはパーティーチャットがメインです。

プラットフォームによっては投げ銭や「2ショットチャット」もあり、こちらはお客さんと1対1でのチャットのためパーティーチャットより時間給が高く、顧客を安定化させる役割を担います。集客力が高ければパーティーの方が稼ぎやすいものの、太客を抱えている場合は2ショットの方が安定しやすいそうです。

このように、さまざまな説明を受けて「稼げるよ」と仕事を紹介されたミホさん(仮名・33歳)は、何の疑いもなくパフォーマーデビュー。当時風俗に疲れ果て、次の職を考え始めた時の紹介だったため、タイミングが良かったのです(以下『』内、ミホさん談)。

『段々風俗業は稼げなくなってますし、お客さんと接するのも疲れたと思っていた頃にチャトレの話がきました。チャトレって流行ってるイメージがなかったけれど、海外配信は日本人女性の参入が増えて盛り上がっていると。私、多少英語が話せるので、今は円安ということもあり、言われるがままに始めてみました』

英語という強い武器を持った彼女は、海外プラットフォームの配信に参入。なんと初日で日給3万円を手にし、思ったより収益が出たことに驚いたのです。

『昔日本国内のチャトレを少しだけやったことありますが、8時間働いて3万くらいでした。それが海外配信になったら3時間で3万円とかで……びっくりしましたね。続けるほど稼ぎも上がるから毎日頑張っていたら、どんどん収入が上がりました』

「黒髪でTHE・日本人と分かるルックスも向こうの人にウケたんじゃないか」というのが、ミホさんなりの分析。初動から時給1万円を超えるのはとても調子が良いものの、“あること”に気づき目が覚めてしまったそうで……。

■過激な内容のデジタルタトゥーが刻まれる怖さ

時給が1万円以上の日もあったそうで、一体どんな内容の配信をしていたのかが気になったため、筆者は思い切って聞きました。すると内容はかなり過激で、そのプラットフォームでは明らかに日本国内の常識を逸脱したライブが日常茶飯事だったのです。

『そうでもしないと客が集まらないし、海外は無修正が普通なところも多いので、うっかりやってしまいました。散々やって、お金を得た後にハッとデジタルタトゥーが気になったのです。思えばスクショも画録(※画面録画のこと)もやり放題だなって……。怖くて自分のことを検索できなかったけれど、SNSで“自分の配信が転載されている”みたいなつぶやきを見てゾッとしました』

海外転載の勢いは凄まじく、1か所に載せられるだけでババッと一気に広がります。スクショも画録も防止フィルタがなく、プライバシーなどほぼゼロですから、デジタルタトゥーが深く刻まれてしまうのが大きな落とし穴なのです。

いくら顔にマスクをしても、声までは加工できません。パフォーマーを映すフィルターも完全な別人化は不可能で、何事にも限界があります。

『自分をキレイに見せるべく画面をライトアップさせて“盛る”わけですが、バレる時はバレますよね。身バレ防止でウィッグ被ってマスクに盛りメイク、みたいなコもいるけど身内が見たらわかるじゃないですか?

完全に身バレを防ぐ方法なんてなかったのに気づき、激しく後悔しました。たしかにお金は稼げましたけど、今はチャトレをやめています。どこに自分の画像が転載されているかわからないし、最近顔認証AIのサイトで昔の画像が山ほど出てくるってニュースを見てしまって……。自分の写真をサイトで検索したらチャトレのスクショとかも出てきそう。想像するだけでもう怖くて仕方がないですよ』

稼げる一方でナイショの仕事だったはずのものが全世界に公開されてしまうのは、かなりの痛手。日本国内のプラットフォームでも転載などが問題視されていますから、外の世界に出れば尚のことでしょう。

筆者もコロナ禍以降、海外配信の勧誘をするネットスカウトや同業者をX(旧Twitter)上で何度も見かけました。そこでは「配信文化が根付いたから、海外配信も日本国内の閲覧者がたくさんいるので稼げるよ」や「お客さんに触られないし、マスクで半分顔を隠しながらでも高収入が可能」、「海外配信だからバレづらい。円安だから、今は海外に参入するチャンス!」など、デメリットを説明せず甘い言葉で女性を誘うポストが一時期は大量に投稿されていたのです。

どんな仕事にも悪い部分が必ず含まれ、それがオトナ向けになればさらなるリスクがのしかかってくるのは当然の話。今はデジタルタトゥーや顔認証AIなど、身バレを回避しづらい状態である世の中ですから、安易にチャトレや夜職の顔出しをしないのが大切です。

◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。