日常のなかで、「この人はこういう人だろう」と思っていた相手が、予想外の言動を発することで今までのイメージが覆され、驚いてしまうことは誰しも1度はあるでしょう。そんな人々の意外な一面を描いた3作品を、作者のおたみさんがX(旧Twitter)に投稿しました。
1作目『一瞬だけ素敵なご夫婦だと思った』は、作者がファミリーレストランで見かけた年配夫婦の話です。漫画のネームを描いていた作者の耳に、「もぉーまた横着して」という女性の声が聞こえてきます。声の方を見ると、男性がドリンクバーの飲み物を持って席へ戻ってきたところでした。
女性は「私のと同じのばっかり注ぐんじゃなくて、ドリンクバーなんだから自由に選べばいいのに」と呆れた様子です。これに対して男性は、少し照れながら「同じの飲みたかったんだよ」と返します。そのやり取りに作者は「素敵なご夫婦」と温かい気持ちになりました。
ところが次の瞬間、女性は穏やかな表情のまま「そういう言い訳はいいから」と男性の言葉を一蹴します。予想外の切れ味鋭い返しに、作者は「奥さん強いな」と感じたのでした。読者からは「男性にありがち」「ドライな奥さんで面白い」などの声があがっています。
2作目『熱血指導者の意外な正体』は、公園で目撃した出来事です。公園では、少年がバットの素振りをしている横で、「よーし!そうだ!」「もっと脇を締めて」と熱心に声を掛ける男性がいます。作者は当然、息子を指導する父親だと思っていました。
しかし、しばらくすると少年が「あの…すみません。どなたか分かりませんが自分で素振りやりますので」と発言。つまり2人は初対面で、男性が勝手にアドバイスしていただけだったのです。読者からは「そういう人いる」「世話焼きの名物オジサンかも」といった共感の声があがりました。
3作目『電車で「そこは違っててよ」と思ったこと』は、電車内でのエピソードです。そこでは、酔った男性がいびきをかきながら、中学1年生くらいの男の子にもたれかかって眠っていました。作者は注意したい気持ちがありながらも、絡まれるかもしれないとためらっていたそうです。
するとそこへ、颯爽と現れた男性が「おじさん! 男の子が困ってますよ!」と注意したのです。その声で目を覚ました男性は男の子に素直に謝罪しました。
作者は注意してくれた男性を「カッコいい」と感心しますが、よく見ると注意した男性と注意された男性の服がまったく同じでした。偶然とはいえ、その光景に作者は「そこは違っててよ」と心の中でツッコまずにはいられなかったのでした。
読者からは「自分も同じ経験があります」といった声があがっています。そんな3作品について、おたみさんに話を聞きました。
■『熱血指導者の意外な正体』が特に気に入っています
ー3作品のなかでご自身が特に思い入れのある作品はどれでしょうか。
『熱血指導者の意外な正体』が特に気に入っています。公園で遠目では本当に「父子鷹」に見えていたので。
(お父さんの夢を息子さんに託してるんだな…)と勝手にドラマの奥行きを想像していたので。他人でしかも初対面、は驚きました。
-特に印象に残っているコメントはありますか。
これも『熱血指導者の意外な正体』なのですが、コメントで頂いた「古いアメリカンジョークにジャングルの奥地を探検するときは遭難に備えてゴルフクラブを1本持っていくべしというのがありますね。素振りしてたらどこからともなくアドバイスしたがりのおじさんがやってくるから」というのが印象深いです。
「アドバイスしたがりは全世界共通、そして時代も関係ないんだ」と思いました。
-こだわった点がありましたら教えてください。
これも『熱血指導者の意外な正体』なんですが、ラストのコマのおじさんの堂々とした表情が気に入ってます。おじさんは素人らしいのですが名監督や名トレーナーの貫禄が出ていたので、そこを表せたかな、と自分では思っています。
(海川 まこと/漫画収集家)























