自家製サングリアって違法なの? ※画像はイメージです(esdelval/stock.adobe.com)
自家製サングリアって違法なの? ※画像はイメージです(esdelval/stock.adobe.com)

料理好きな30代のAさんは、ある日Instagramで見かけた自家製サングリアのレシピに挑戦しました。サングリアは、ワインにフルーツやスパイスを漬け込んだカクテルです。実際に作ってみると、市販のワインにオレンジやレモン、シナモンなどを漬けて数日置くだけで簡単に完成しました。

できあがったサングリアを自宅に遊びに来た友人たちにふるまったところ大好評で、「また作って」とリクエストが相次ぎ、Aさんは大満足です。

別の日に学生時代の友人が久しぶりに遊びに来ることになり、Aさんは前回好評だったサングリアをふるまうことにしました。しかし友人はサングリアを見るなり、「サングリアを作るのって違法じゃなかったっけ?」と言い、テーブルの上に置かれたグラスに手を付けようとしません。

友人の様子を見たAさんは、「知らない間に法律を犯してしまったのだろうか」と不安に襲われます。自宅でサングリアを作る行為は、本当に違法になるのでしょうか。弁護士の齊田貴士さんに話を聞きました。

■自家製サングリアは違法 酒類の製造には免許が必要

ー自家製サングリアを作ることは違法になりますか?

自家製サングリアを作る行為は「酒類の製造」にあたり、酒税法違反になる可能性があります。アルコール度数1%以上の酒類を製造するには酒類製造免許が必要なので、免許を持たない人が製造すると罪に問われる可能性があります。

ー自家製サングリアを作った場合、どのような罰則が科される可能性がありますか?

自家製サングリアを作り酒税法に違反すると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が課せられる可能性があります。

ーお酒を混ぜ合わせて作るカクテルや、梅酒などの果実酒を自宅で作る行為との違いはなんですか?

飲む直前にお酒を混ぜる行為は、酒類の製造にはあたらないとされています。そのため自宅でカクテルを作って楽しんでも、法律違反になることはありません。

サングリアと梅酒などの果実酒の違いは、使用するお酒のアルコール度数にあります。酒類の製造には基本的に酒類製造免許が必要ですが、一部例外があります。

酒税法では、次の3つの条件を満たすものは酒類の製造にあたらないとみなされ、自宅で作っても罪に問われません。①既に課税済みのアルコール度数20度以上のお酒を使用する、②米、麦、とうもろこし、ぶどう等の禁止されている材料(詳細は酒税法施行規則13条3項参照)を混ぜない、③作ったお酒を販売しない。

梅酒などの果実酒に使用する焼酎やウィスキーは、アルコール度数20度以上の蒸留酒です。禁止されている材料も使用しないため、自宅で楽しむために果実酒を作る行為は違法にはなりません。

一方、ワインはアルコール度数が20度未満なので、アルコール度数20度以上のお酒を使用するという条件を満たしません。そのため自家製サングリアを作る行為は、個人的に楽しむ目的であっても罪に問われるおそれがあります。

◆齊田貴士(さいだ・たかし) 弁護士/ベリーベスト法律事務所
神戸大学法科大学院卒業。弁護士登録後、ベリーベスト法律事務所に入所。離婚事件や労働事件等の一般民事から刑事事件、M&Aを含めた企業法務(中小企業法務含む。)、税務事件など幅広い分野を扱う。その分かりやすく丁寧な解説からメディア出演多数。

(まいどなニュース特約・長澤 芳子)