ライオン舎に設置されたスポットクーラー=姫路市立動物園
ライオン舎に設置されたスポットクーラー=姫路市立動物園

 今年の夏も、焼けつくような猛暑が続いている。世は夏休みのお出かけシーズンだが、近年は屋外のレジャー施設は避けられがちだ。姫路城内にある姫路市立動物園(同市本町)も夏は来園者が減り、閑散としている。そんな中で今春、園内の休憩所にエアコンを設置し、訪れた家族連れらに喜ばれている。(小谷千穂)

 同園は、1951年12月に播磨地域で初めての動物園としてオープンした。同年6月に移動動物園が姫路を訪れ、あまりの人気に動物園設立の声が高まったのがきっかけだった。今はレッサーパンダやアミメキリン、カバ、グラントシマウマなど約90種類、約340匹の動物が暮らす。

 姫路市民のほか、姫路城を訪れた外国人観光客など昨年度は約40万人が来園した。このうち月ごとで見ると、最も少ないのが7月の約9千人。次に6月、8月の順に少なく、夏に来園者が激減している。

 園内はほとんど屋外で、涼しい場所で休めないのが課題だった。そこで元々あった休憩所にエアコンを設置することに。休憩所は63年に完成した築63年の建物で、長机12台といす約40脚が置かれ、自動販売機やベビーベッドもある。エアコンの運転は午前9時半~午後4時。雨天や来園者の少ない日は、停止する場合がある。

 夫と小学2年の長男、4歳の長女と園内を楽しんだ吉岡綾花さん(40)=伊丹市=は「朝なら涼しいかなと思って開園直後に来たが、やっぱり暑い。休憩所でクールダウンできたので、もうちょっと楽しめそう」と話した。城谷弘樹園長(56)は「夏は、空調が効いた水族館に行ってしまう。『クーラーがあるし、動物園に行こか』と思ってもらいたい」と願った。

 一方、小学5、6年生を対象に、飼育係の仕事を体験してもらう人気イベント「サマースクール」は毎年夏休みに開いていたが、今年から11月に時期をずらす。例年、獣舎の掃除やエサ作りなどを汗だくで活動する子どもたちの様子から、熱中症のリスクを下げるため判断したという。

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 暑さ対策は人間向けだけではない。ライオン舎には昨年8月、移動式で冷風が出る「スポットクーラー」2台が付いた。クラウドファンディングにより支援を集めた札幌市の一般社団法人から寄贈された。

 初めは寄りつかなかったオスのカイオ、メスのマトだが、今年は顔を近づけたり、そばで寝そべったりして涼んでいるという。

 またカバやカンガルー、アシカの仲間である「オタリア」の獣舎では、日よけのシートを上部に張った。城谷園長は「電力量や予算の関係でやみくもにエアコンを増やせないが、動物にとって何が必要か今後も見極めたい」とした。

 開園時間は午前9時~午後5時。料金は高校生以上250円、5歳から中学生まで50円。姫路市など「播磨圏域連携中枢都市圏」の8市8町に住む未就学児と小中学生は「どんぐりカード」の持参で無料。定休日なし。同園TEL079・284・3636