人は誰しも、見かけからは想像できない意外な一面を持っています。そんな意外な姿を知ることで、心の距離がぐっと縮まるかもしれません。漫画家・道雪葵さんの作品『クールなふたりは見かけによらない』の第1話では、とある会社の社員と社長の意外な一面が描かれています。同作はX(旧Twitter)に投稿されると、約4.8万ものいいねが寄せられました。
主人公の多田野は、今日も会社でミスばかりします。「何度ミスれば気が済むんだよ!?」と上司に怒られますが、多田野は落ち込むでもなくキリっと真面目な表情で沈黙していました。実は多田野、生まれつき凛々しい顔つきのため周囲から期待されがちですが、実際には「仕事できないよねぇ」と評されているのです。
そのとき、多田野はよりによって『氷の帝王』と言われる氷鷹社長にコーヒーをかけてしまいました。多田野はスーツを弁償するといいますが、社長から「君は何もしなくていい」と返されてしまいます。
多田野は帰りがけ、スーパーで落ち込んでいたところ店内に社長がやってきました。気まずい多田野は、社長に会わないように隠れて買い物をします。すると、社長は『よいこのホットケーキMIX』の裏面をまるで親の仇かのようにじっと睨みつけていました。
その後トイレットペーパーを買った社長は、カゴを使わずペーパーの上に卵を載せ運搬しようとします。今にも落ちそうな卵に多田野は危なっかしさを感じますが、社長はこれに加えて米を購入しようとしていたのです。
社長はペーパーと卵の間に無理矢理5kgの米を挟もうとするため、見かねた多田野はほかのスタッフに頼んでカゴを持ってきてもらいました。多田野は、氷の帝王として知られる社長が私生活ではここまで不器用だったのかと衝撃を受けます。
レジを通ったためもう大丈夫だろうと思っていたところ、社長はなぜか絶望した様子で佇んでいました。どうやらレジが混雑しているにも関わらず、レジ袋をもらい忘れたようです。結局多田野は社長に声をかけ、自宅まで米を運んであげることにしました。
社長の案内で自宅に入った多田野。社長は「ちょっと散らかっている」と言いますが、その室内はまるで不法投棄現場でした。この様子に衝動が抑えられなかった多田野は、一瞬のうちに自宅内を掃除します。
じつは『家事できる系男子』だった多田野に社長は感心しているところ、ふと多田野は椅子にシミを発見しました。実は今朝、社長はスーツにコーヒーをこぼしてしまい、時間がなくて汚れたまま出社していたのです。
社長の「君は何もしなくていい」という言葉は、すでにコーヒーで濡れているから気にしなくていいという意味だったことに驚くとともに、多田野は社長に必要とされていることを知るのでした。
読者からは「電車なのに声出して笑ってしまった」「ずっとこの2人の様子をみてたい」などの声が寄せられています。そこで、作者の道雪葵さんに話を聞きました。
■多田野の太眉にこだわりが…
-同作を描いたきっかけについて教えてください
最初はクールなおじさまのギャップ萌えを目指して企画を立てた気がしますが、私はクールなおじさまではないので、世間のおじさまが生活の中でどういうミスをするのかわからず困りました。
でも、スーパーで買い物客を観察しながら「カゴを持たずに歩き出して、あれこれ必要なものを思い出し、手持ちがいっぱいになる…なんてミスに男女や年齢の違いってあまりないんじゃないか」と思ったので描き出したら、ネームがするすると完成しました。
-作中、多田野君や社長を描くうえで意識した点はありますか?
社長はどんなに情けない姿を多田野に晒しても、会話が多田野と同世代に退行しすぎないよう、あくまで自分はおじさんだという自覚を持った喋り方をするように心がけています。
多田野はしっかりとした太眉なので忘れないようにしないと、モブのようになり、背景に埋もれます。
-多田野君と社長の今後がとても気になる展開でした!
現在、この作品は「クールなふたりは見かけによらない」というタイトルで、LINEマンガやpixivコミックで連載しています。家事を習うだけでなく、変装してハワイ旅行したり、楽しく凸凹コンビをしているので、是非続きも見に来てください。
(海川 まこと/漫画収集家)
























