洗濯機を回したまま寝落ちしたり、取り出すのを忘れて外出したりして、数時間から一晩放置してしまうことがあります。この際に、そのまま干してよいのか、洗い直すべきか迷う人は多いでしょう。
では、放置してから何時間までの洗濯物ならそのまま干しても大丈夫なのでしょうか。洗濯家の中村祐一さんに、臭いが発生する原因と判断の目安について聞きました。
■臭いの根本原因は「放置時間」ではない
-何時間までならそのまま干せますか。洗い直す目安も教えてください。
一律に「何時間まで」とは言えません。臭い対策のために、速く乾かす必要はないものの、色移りを防ぐため、濡れている時間は短い方がよいです。干す時に、もし、臭うなら洗い直しましょう。
-そもそも洗濯後の衣類を湿ったまま放置すると、なぜ嫌な臭いが発生するのでしょうか?
臭いの根本原因は放置時間ではなく、洗濯で落とし切れずに残った汚れです。菌がその汚れを栄養にして排泄物を出すことで、臭いが発生します。菌を完全になくすことは難しいため、対策の基本は汚れをきちんと落とすことです。
実験では、洗濯後の衣類を洗濯槽に24時間置いても臭いは発生しなかったです。ただし、これは「24時間までなら大丈夫」という一般的な基準を示すものではありません。濡れたままだと染料が加水分解を起こし、衣類同士が接触した部分に色移りが起こり得るため、洗濯後はできるだけ早く取り出した方がよいです。
-臭いがあり、洗い直す場合の洗濯設定は軽めにするべきですか?
むしろ基本から見直すべきです。なぜなら普段の洗濯設定や洗い方が、汚れを十分に落とせないものが臭いを発している可能性があるためです。
基本的に、洗い時間は10~20分が必要で、目安は15分としましょう。10分以下では汚れが残りやすく、20分を超えても効果はあまり変わらないです。
-洗い時間以外に見直す点はありますか?
おすすめの基本設定は、すすぎ3回、脱水3分です。その他に衣類、水、洗剤の量も重要です。衣類を詰め込みすぎたり、水量が少なすぎたりすると十分に洗えません。洗剤も減らしすぎず、規定量を目安にします。
-短時間で乾かすコツを教えてください。
衣類を広げ、重ならないよう間隔を空けて、空気に触れやすくします。扇風機で風を当てたり、除湿機を使ったりするのも効果的です。ただし、最初に汚れを落とせていれば、部屋干しに多少時間がかかっても臭いにくいです。
-洗濯物の放置を防ぐ方法や、避けた方がよい対処法はありますか。
洗濯を生活のルーティンの中である程度決まった時間にすると、取り出し忘れを減らせます。イレギュラーで放置してしまっても、普段から汚れをきちんと落とせていれば、臭いについて過度に慌てる必要はありません。
臭う場合は、柔軟剤や消毒スプレーで対処するのではなく、洗い直して洗濯方法を見直しましょう。色移りを防ぐため、色物と白い衣類を分けて洗うことも大切です。
◆中村祐一(なかむら・ゆういち) 洗濯家
暮らしを変革する洗濯のプロフェッショナル。長野県伊那市のクリーニング会社「芳洗舎」代表取締役。「気持ちよく着るための洗濯」を伝え、洗濯の側面から、より良い暮らし方を提案している。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
























