2009年に住宅金融支援機構が商品化した「フラット50」から始まったとされる、いわゆる「50年ローン」。住宅価格の高騰を背景に、ネット銀行等でも最長50年ローンの取り扱いが増えています。
完済時の年齢制限があるため、希望すれば組めるというわけではありませんが、毎月の返済額を抑えたい比較的若い世代から注目されています。
今回はそんな「50年ローン」について、夫婦で意見が割れたご夫婦のお悩みを伺ってきました。
■定年までに返済できる35年ローンで借り入れ可能額を試算してもらったけど
Aさん(関東在住、20代、会社員)夫婦は結婚2年目のカップルです。これまでAさんの会社の家賃補助を利用して1LDKの賃貸マンションで新婚生活を送ってきましたが、子どもができたらさすがに手狭、このタイミングで将来を見据えて家を購入しようということになりました。
とはいえ最近ニュースでもよく聞く不動産価格の高騰で、全ての条件が揃った良い物件はどれも現実的な価格ではありません。
駅からの距離や広さ、デザイン性などある程度妥協しても、FPに試算してもらった毎月のローン返済額に余裕を持たせることはできそうもなく、これからの変動金利の上昇も不安です。Aさん夫婦はまだ20代、これから子どもを何人持てるのか、それぞれの両親の健康など、将来はまだまだ「未知数」な条件が多く、住宅だけに投資するのも現実的ではありません。
Aさんは当初希望していた注文住宅を諦め、建売やマンション、中古物件も視野に入れて探そうと夫に提案することにしました。
■まさかの「50年ローン」の提案
ところが、夫からの返答は「毎月の返済額を抑えて、もう少し借入額を増やす方法があるよね!!」というものでした。その方法というのが「50年ローン」。以前試算してもらった住宅ローン返済期間は一般的な35年ローン。確かに15年返済期限が伸びれば、同じ月返済額でも借りれる額は増えますが…。夫の提案にAさんはビックリ。
「今ならギリギリ20代だし、50年ローン組めるよ!金利は確かに怖いけど、それを言うなら35年ローンだって変動を使えば怖いのは同じだし。もちろん駅までの距離とか、妥協しなくちゃいけないところももちろんあるけどやっぱり住みたい家を建てたいでしょ!」と笑顔の夫に対して、「一回調べるからちょっと待って」と答えるのが精いっぱいだったそうです。
「確かに月の返済額は小さくなるけど、5000万円借り入れしたとして、総支払額は1000万円以上多くなるんですよね。それから、定年後どうやって返済するかも心配です。そう聞いても『相続もあるだろうしなんとかなる』の一点張りです。ここ数年で家を買った会社の先輩に聞いてみても、50年ローンを組んでいる人はいないし…。私としては子どもの人数を1人にして、小さな中古マンションで35年ローンを組むのがいいと思っているんですけど、選択肢が広くなった分、なかなかまとまりません」
なかなか結論が出せないご家族がいらっしゃる一方で、この1年で急激に「50年ローン」の利用が高まっていることをご存じですか?
■2025年度の住宅ローン「返済期間50年」最多
住宅金融支援機構が2025年に行った住宅ローン市場の実態調査「住宅ローン貸出動向調査結果」によると、住宅ローンの最長返済期間(当初借入時)は、変動型・固定期間選択型・全期間固定型のいずれの金利タイプも2025年度は「50年」が増加し、最も多くなりました。
住宅ローンを検討する時の「常識」が急激に変化しているタイミングなのかもしれません。
【参考】
▽住宅金融支援機構-住宅ローン貸出動向調査
(まいどなニュース特約・中瀬 えみ)
























