店員さんが丁寧に対応してくれると、こちらまで気分が良くなることがあるでしょう。平行眉子さんも丁寧な対応に心が動かされた1人のようで、その体験を作品『歳を重ねるほど』で描いています。
ある日、作者はコンビニエンスストアで買い物をします。その際にレジを担当していた店員さんが「ありがとうございます。またお越しくださいませ。」と丁寧な言葉とともに笑顔で接客してくれました。ほんの少しのやりとりではあるものの、このように丁寧に対応をされると、作者はとても嬉しく感じます。
この出来事から、作者は若い頃と今では「こんな人になりたい」という人物像が変化してきたことを考えます。
作者が若い頃は「かわいい」「きれい」など、見た目が素敵な人に憧れることが多かったそうです。ところが最近は、丁寧に教えてくれる人や、さりげなく親切にしてくれる人に「素敵だな」と感じるようになりました。
そんなふうに思うようになったのは、歳を重ねて人との付き合い方が変わってきたからかもしれません。もちろん、人との距離を無理に縮める必要はありません。それでも人と接する機会があるのなら、「なんか感じのいい人だったな」と思ってもらえる人でありたいと考えるのでした。
読者からは「ものすごく共感」「50代になりますが私も若い時とは違って可愛らしいおばちゃんを目指してます」など、多くの共感の声があがっています。そんな同作ついて平行眉子さんに話を聞きました。
■心に残るのは、知らない土地でもらった優しさ
ー若い頃は、外見的な部分に憧れることが多かったとのことですが、年齢を重ねる中で価値観が変わってきたと感じたきっかけは何かありましたか?
結婚して転勤生活になったことが大きいと思います。知らない土地での子育ての中で、市役所の方など、いろいろな場面で人に優しくしてもらいました。心細かった時に、その何気ない優しさに何度も救われ、「私に優しくしても何もメリットがないのに、なんでこんなに優しくしてくれるんだろう」と、人の優しさが当たり前ではないことに気づいたんです。それまでは外見が大切だと思っていたのですが、人からもらった優しさが思っていた以上に心に残って、私も誰かに優しくできる人でいたいと思うようになりました。
ー平行さんにとって、「感じのいい人」とはどのような人なのでしょうか?
相手によって態度を変えず、誰にでも自然に接することができる人です。誰にでもニコニコ挨拶ができたり、さりげなく気遣えたりする人を見ると素敵だなと思います。接したあとに、なんとなく温かい気持ちが残る。私にとって「感じの良い人」は、そんな人です。
ー若い頃のご自身と今のご自身を比べたとき、「ここは変わったな」と感じる、人との接し方や考え方はありますか?
若い頃は、人との距離が近いほど仲が良いと思っていたところがありました。今は、無理に距離を縮めなくてもいいと思っています。だからこそ、近い関係ではない人とも、挨拶をしたり感じよく接したりして、お互いに心地よくいられる関係を大切にしたいです。
(海川 まこと/漫画収集家)
























