空に幾筋も描かれた飛行機雲=3月、福井市内から撮影
空に幾筋も描かれた飛行機雲=3月、福井市内から撮影

 「晴天にコメ粒みたいな旅客機と白い飛行機雲。どこへ向かっているのでしょう」と福井市の男性(71)から、福井新聞社のふくい特報班(ふく特)に投稿があった。調べてみると福井県の上空は、羽田や成田空港からソウルなどに向かうアジア便が多数通過。国内便もさまざまな便が県内上空を飛んでいた。福井空港に定期旅客便は就航していないが、福井の空には多くの旅客機が飛び交っていた。(福井新聞社)

■アジア便の最短コース集中、ロシア回避の欧州便も

 福井飛行クラブ顧問で福井の空事情を知るパイロット、佐澤宏嘉さん(69)=福井市=は「飛行機は燃料と時間が少なくて済む最短距離の『大圏(たいけん)コース』を飛ぶ。東京や北米各地からソウルをはじめ北京などに向かう便の大圏コースが、福井県上空を通っている」という。

空に幾筋も描かれた飛行機雲=3月、福井市内から撮影

 それに加えて3年前に始まったロシアのウクライナ侵攻で、一部だが欧州便も通過しているという。「東京から欧州へは新潟からロシア上空へ抜けるのが大圏コース。だがウクライナ侵攻後、航空会社はロシア上空を回避している」という。迂回(うかい)ルートの一つが中央アジアコースで福井県など北陸から山陰の上空を通る。

 航空機追跡サービス「フライトレーダー24」のサイトで見てみた。ある日の午後、羽田からソウルへ向かう便が高度3万8千フィート(約1万1千メートル)の福井県上空を東から西へ。北京行きも3万4千フィートに。ソウル便は次々と通過していく。別の日には羽田からローマやミュンヘン、イスタンブールなどへの欧州便、成田からもワルシャワやドバイなどへの便が通過した。

 国内線も小松-羽田をはじめ羽田と山陰との便、北海道・東北と関西・中国地方との便が飛んでいた。

 飛行機を見つけやすくなる飛行機雲は「空気中に水分が多いと出来やすい。晴れた日で、天気が下り坂の時が狙い目」と佐澤さん。「青い空を見ていると、世間の騒がしさをしばし忘れる」と楽しみ方を教えてくれた。

 投稿してくれた男性も「40年前、初めての海外出張は台湾。夕日を追いながらのフライトを楽しんだ」と飛行機雲に旅の思い出を重ねた。