日本、ギリシャ、米国の財政指標の国際比較
日本、ギリシャ、米国の財政指標の国際比較

 「日本の財政状況はギリシャよりよろしくない」-。石破茂首相が5月、国会で発言した内容は事実か。西日本新聞社の「あなたの特命取材班」はファクトチェックの結果、一つの指標で国家財政を比べることは誤解を招きかねず「ミスリード」と判定した。とはいえ、さまざまな指標を見ると財政事情が良くないのは事実だ。

 5月19日の参院予算委員会。首相は、減税を求める野党議員にこう答弁した。

 <わが国の財政状況は間違いなく極めてよろしくない。ギリシャよりもよろしくないという状況でございます>

 これに交流サイト(SNS)では「風説の流布だ」「国の信認を失墜させた」と批判コメントが殺到。首相のその後の説明によると、「2023年の日本」と「財政危機が表面化した09年のギリシャ」の「❶債務残高対国内総生産(GDP)比」を比べたという。

日本、ギリシャ、米国の財政指標の国際比較

 ■家計に例えると…

 「財政状況」-。イメージしやすいように言い換えれば、国の懐事情だ。本年度の一般会計予算は約115兆円。歳入のほぼ4分の1を公債金、つまり借金で賄っている。積もりに積もった借金(普通国債)の残高は年度末で1129兆円になる。これを単純化して家計に例えると…。