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ホテルキャッスルプラザが市史基に再現

 さかのぼること約340年。江戸時代前期、明石藩の宴席で出されたとされる「本膳料理」の一汁三菜を、ホテルキャッスルプラザ(明石市松の内2)が再現した。「明石市史資料(近世編)」に残る献立を調べ、現代風にアレンジしたという。当時、どんな料理が食べられていたのだろう。明石の食文化の歴史を探りたい。(森 信弘)

 昨年11月中旬。剣豪宮本武蔵が手がけたと伝わる県立明石公園内の「武蔵の庭園」で、食事会が開かれた。参加したのは、バングラデシュとベトナムからの旅行客や日本人インフルエンサーら。闇に浮かぶ明石城の櫓(やぐら)を眺めながら、同ホテル総料理長、橋本浩二さん(56)の料理を堪能した。

 提供されたのは、鶉(うずら)のつみれやシイタケが入ったショウガ風味のスープ▽明石ダコの柔らか煮▽鯛めし▽イカやエビ、キクナのあえ物-など。食文化に触れることを目的にした旅行「ガストロノミーツーリズム」の催しで、橋本さんが市史の記述を基に監修した。

 同資料第6集には、1682(天和2)年5月に、明石城で江戸幕府の役人たちをもてなした宴会の献立が記載されている。当時、越前国(福井県)の松平直明が第8代明石藩主に任命され、役人らは城の受け取りの確認に来ていた。