指揮者形態模写のおはこ、朝比奈隆氏になりきってタクトを振るう好田タクトさん=明石市花園町
指揮者形態模写のおはこ、朝比奈隆氏になりきってタクトを振るう好田タクトさん=明石市花園町

 実は今でも、何が面白いか、どこで笑うのか、分からないことが多い。4年半前、神戸新聞の連載「寄席のマエストロ」で紹介した芸人、好田タクトさん(61)=東京都=に11月17日、再会した。クラシック指揮者の形態模写というマニアックな持ちネタを持つ自称「誰も知らない」芸人はこの日、出身地の明石で「凱旋公演」を開いた。

■知識はすごい、芸は…

 明石南高校時代の先輩の力添えもあり、ライブハウス「西明石HANAZONO」に集まったのは地元の観客約30人。タクトさんは小噺を挟みながら、小澤征爾氏やセルジュ・チェリビダッケ氏(ルーマニア出身のミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団指揮者、1996年死去)など古今東西の名指揮者について、すらすらと解説した。

 吹奏楽部出身で、名指揮者の公演を生で何度も聴くほど大の音楽好き。知識はすごい。では芸は-。ある観客は頭の上に「?」。ある観客はうなずいている。前回、東京・浅草で取材したときと変わらない光景だ。