兵庫県立芸術文化センター(西宮市)の専属オーケストラ「兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)」は、阪神・淡路大震災の発生から30年となる来年1月17日から3日間、第156回定期演奏会を開く。芸術監督佐渡裕の指揮でマーラーの交響曲第8番などを披露する。佐渡は「震災復興の象徴になるようなコンサートにしたい」と語る。(藤森恵一郎)
来年は同センター開館20年の年でもあり、佐渡は「犠牲者への『祈り』を大事なキーワードにしてきた」と歩みを振り返る。これまで震災の節目となる年の1月には佐渡自身の指揮で、ベルディの「レクイエム」(2010年)、マーラーの「復活」(15年)、フォーレの「レクイエム」(20年)を取り上げてきた。
来年1月に披露するマーラーの交響曲第8番は、マーラー自身による1910年の初演で出演者が約千人に上ったことから「千人の交響曲」の名で知られる。今回は千人には及ばないが、約300人に上り、PAC史上最多の出演者数となる見込み。舞台正面の反響板を奥に10メートルほど下げることで大編成に対応する。