神戸新聞NEXT
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 神戸市中央区の旧居留地エリアは、兵庫・神戸を代表するオフィス街として知られる。三井住友銀行神戸本部ビルや日銀神戸支店など金融機関の重厚な建物が街に溶け込み、老舗商社の神栄や建材のノザワといった上場企業が本社を構える。大丸神戸店の周辺には高級ブランドが軒を連ね、洗練されたショッピング街でもある。阪神・淡路大震災を乗り越えて約30年となるこの街に今年、IT企業が相次いで拠点を開き、シェアオフィスもオープン。落ち着いた街並みに新風を吹き込んでいる。(塩津あかね、高見雄樹)

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 円形の石柱がまっすぐに伸びる。石貼りで重厚な正面玄関が、ビルの存在感を高めている。

 研究者派遣のWDBホールディングスは10月、旧居留地に本社を新築した。歴史的建造物のように凜とたたずむビルの前では「写真を撮る観光客をよく見ます」と社員も誇らしげだ。

WDBホールディングスの本社=神戸市中央区江戸町

 同社はビル完成と同時に創業の地、姫路から本社を移した。グループの従業員は約千人。本社には約150人が働き、うち約100人がシステム開発の子会社「ネゾット」の社員だ。

 9階建てビルの6階にデザイン部門、2階にシステム部門が入る。会議室は壁が透明で開放感があり、執務スペースではリラックスして仕事ができる。