タイヤ開発に携わるモータースポーツ部の(左から)斉脇泉部長、安田恵直課長、大小瀬求課長代理と材料開発本部の笛木隆史課長=神戸市中央区、住友ゴム工業
タイヤ開発に携わるモータースポーツ部の(左から)斉脇泉部長、安田恵直課長、大小瀬求課長代理と材料開発本部の笛木隆史課長=神戸市中央区、住友ゴム工業

■前哨戦では総合優勝

 大手タイヤメーカーの住友ゴム工業(神戸市中央区)グループの自動車レースチーム「FALKEN(ファルケン)モータースポーツチーム」が、「世界一過酷」とされるレースに挑む。30日にドイツ西部のニュルブルクで開幕する「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」。4月に同リンクであった前哨戦では総合優勝を果たした。本番での初優勝に期待が高まる中、タイヤ開発に携わる技術者たちは気を引き締めている。(石川 翠)

■起伏激しい峠のようなコース、完走も困難

 同レースは毎年開催され、世界中の車両やタイヤメーカーなどのチームが集う。通常のサーキットと異なり、森の中につくられた1周25・359キロのコースを、24時間にわたり走り続ける。高低差約300メートル、約170カ所のコーナーがある起伏の激しい峠のようなコースで、100台以上の車両が200キロ超のスピードで競い合う。

 各メーカーが自社製品の性能を試して技術開発に生かそうと参戦するが、過酷なコースのため、車両トラブルや事故が多発。完走することも難しいレースとして知られる。かつてトヨタ自動車の豊田章男会長がドライバーとして出場したこともある。

 ファルケンのチームは住友ゴムの欧州販売会社「ファルケンタイヤヨーロッパ」(ドイツ)の傘下にあり、同レースには1999年から参戦している。2014年以降、10年連続でトップ10に入った。

■タイヤ専用のシミュレーションソフト