昨年10月に行われた潜水艦「らいげい」の進水式=神戸市中央区東川崎町3、川崎重工業神戸工場
昨年10月に行われた潜水艦「らいげい」の進水式=神戸市中央区東川崎町3、川崎重工業神戸工場

 海上自衛隊の潜水艦の修理契約に絡み、架空取引で資金を捻出していた川崎重工業(神戸市中央区)は、潜水艦の建造・修理を神戸工場(同区)で手がけている。潜水艦は年に1隻ずつ、川重神戸工場と三菱重工業神戸造船所(同市兵庫区)で交互に建造しており、神戸が日本で唯一の潜水艦の生産拠点となっている。

 造船を祖業とする川重は、戦前から潜水艦を建造しており、戦後は1960年に戦後の国産第1号となる「おやしお」を完成させた。以来、神戸工場で延べ30隻を建造。昨年10月には、31隻目となる「らいげい」の進水式を実施した。

 修理も神戸で行っており、川重では神戸造船工場修繕部が担当し、乗組員と共同で作業する。同社によると、潜水艦修理には毎年実施する「年次検査」と3年に1回の「定期検査」があり、年次検査は2~3カ月、定期検査は10~11カ月かかるという。乗組員はこの間、神戸工場に隣接する川重の宿泊施設「海友館」に滞在。川重側と懇親会を開くこともあるという。