機関士がエンジンの情報などを確認しながら運航をサポートするブース。奥の壁際には複数船舶の情報を映すモニターが並ぶ=西宮市芦原町、古野電気
機関士がエンジンの情報などを確認しながら運航をサポートするブース。奥の壁際には複数船舶の情報を映すモニターが並ぶ=西宮市芦原町、古野電気

 船舶用電子機器メーカーの古野電気(西宮市)の本社に、遠隔で複数の船舶の航行をサポートする「陸上支援センター」が完成し18日、報道陣に公開された。海運業界の船員不足や働き方の改善などの課題解決に向け、日本財団など(東京)が進める無人運航船プロジェクトの一環。来年7月に始める実証実験に向け、シミュレーションなどシステムの検証を続ける。

■移動型も整備中、4隻同時運航へ

 プロジェクトは、2040年にフェリーやコンテナ船など国内船の半数での無人運航実現を目指す「MEGURI2040」。20年に始まり、同社を含む国内53社が参加する。22年には世界屈指の船舶過密エリア、東京湾を含む航路で無人運航に成功。長距離、長時間、高速など世界に先行して実績を重ねている。