人手不足に悩む介護事業者の課題を解決するため、川崎重工業(神戸市中央区)が、現場の負担軽減や省力化に役立つ介護機器やロボットなどの導入を支援する事業を進めている。自社製品に限らず、さまざまなメーカーと介護施設を「橋渡し」するサービスで、神戸市内の施設で実証実験を実施。情報通信技術(ICT)で介護スタッフの動きなどを計測して効果を示し、施設側にサービス活用を呼びかける考えだ。(石川 翠)
今月4日、神戸・三宮のビジネス交流拠点アンカー神戸で、「介護の未来」をテーマにした川重主催のセミナーが開かれた。同社ヘルスケア事業推進部の寺井昭平さんと、一般社団法人日本ノーリフト協会(同市兵庫区)の保田淳子代表、介護付き有料老人ホーム「ディアージュ神戸」(同市垂水区)の中尾美隆副支配人の3人が登壇した。
3者は介護現場で機器やロボットを活用する実証実験に取り組んでおり、その成果などを紹介した。
実証実験は、ディアージュ神戸が日本ノーリフト協会とともに、介護スタッフの負担軽減を目指してさまざまな機器を試していたことから、川重が加わって実施することになった。屋内空間の人の位置を把握できる川重の技術を使い、どの作業にどのぐらいの時間がかかっているのかを計測。スタッフらの動きをデータにして「見える化」し、機器を導入する前後の変化を調べた。