2026年春に卒業予定の大学生らを対象に1日、企業の採用内定が解禁され、兵庫県内では多くの企業が内定式を開いた。05年の民営化から20年の節目を迎えた本州四国連絡高速道路(神戸市中央区)は、明石海峡大橋で内定式を開催し、23人の学生が出席した。
式典は、大橋の主ケーブルを固定させるコンクリートブロック「アンカレイジ」のうち、淡路島側のアンカレイジ内部で開いた。後藤政郎社長は「社会や地域に貢献する仲間として、誇りと責任を持って歩んでほしい」と呼びかけた。
内定者は大橋の管理用通路を北へ1キロほど歩き、エレベーターで主塔の頂上へ。海面から約290メートルの地点に立ち、巨大な社会インフラの安全を守る大切さを実感していた。
新卒採用は学生優位の「売り手市場」が続いており、同社も優秀な人材確保のために初任給を引き上げている。今年春に入社した大卒者は26万円だった。
兵庫県福崎町出身で高知大4年の女子学生(21)は「普段から使ってきたインフラを、安全に維持し続けるようにしたい。瀬戸内海全体が盛り上がる企画も作れれば」と話していた。(大盛周平)