播州三木染め形紙のデザインを使った灯籠で照らし出される湯の山街道=三木市芝町
播州三木染め形紙のデザインを使った灯籠で照らし出される湯の山街道=三木市芝町

 歴史的な街並みが残る湯の山街道(三木市芝町、同市大塚)が15日夜、「染め形紙」のデザインをあしらった灯籠など約800基で照らし出された。歩行者専用道路となってにぎわった旧街道沿いには、高砂市から届いた万灯籠や酒蔵バーなども並び、晩秋の冷え込みを優しく、明るく包み込んだ。(大山伸一郎)

 市民団体「地域資源を活かしたまちづくりの会」が2021年から開催。有馬温泉と三木の城下町をつなぐ旧街道は、三木合戦の際には羽柴秀吉も使ったとされ、合戦後の江戸時代には着物などの布を染める形紙を専門に作る型屋(形屋)が鍛冶屋よりも多く並んだと伝わる。

 日没後の午後5時、芝町太鼓蔵(芝町)から戎神社(大塚2)周辺までの約700メートルが車両通行止めとなり、近隣住民や電車で訪れた観光客たちがそぞろ歩きを楽しんだ。

 街道沿いの大塚ほうとう広場では、昨年に三木市と同じ市制70周年を迎えた高砂市から参加した「たかさご万灯祭」のキャンドルやあんどんが今年も登場。ダンスやパフォーマンスも披露された。戎神社は、ジャズライブや三木高吹奏楽部などの演奏で優雅な雰囲気に包まれた。

 街道の一角で、歴史的な建造物としての価値も高い稲見酒造(芝町)では、一夜限りの「酒蔵バー」が開店。近くの花屋も特別営業してライトアップされる中、来店客は三木市産山田錦を使った日本酒を味わいながら、風情ある街並みの美しさを堪能した。