尼崎城(兵庫県尼崎市北城内)の天守のプラモデル化を目指す市民団体「プラモ尼崎城」は、5年前に発売したしゃちほこのプラモデル商品をリニューアルした。旧製品では灰色、赤、黄、青の4通りだった色を「いぶし銀」に一新し、しゃちほこの絵をあしらった紙箱にこん包。前回に続いて地元の町工場の力を借り、部品の精度にも磨きをかけた。売り上げは天守モデルの商品開発に充てるという。(吉田敦史)
プラモ尼崎城は、市内事業所の経営者や市職員ら有志10人で2018年12月に結成した。インターネットで資金を募るクラウドファンディングで約110万円を調達し、天守の商品化を見据えた第1弾として、しゃちほこ部分を実物の24分の1サイズで製作。「尼崎城シャチホコ」の名前で19年7月に販売開始した。
城の再建と尼崎城シャチホコの発売から5年。新型コロナ禍で減退した観光需要が戻り、土産物としての価値の向上が求められていたことから、リニューアルすることにした。
製造には尼崎市内の事業者が協力。今回新たに樹脂の射出成形で参加した「柴プラスチック」(同市額田町)は社長がプラモ好きだといい、機械を調整することで部品の仕上がりの精度を高め、より組み立てやすくしたという。
樹脂加工業の「中野製作所」(同市潮江5)が手がけた3Dデータは旧製品から変更なし。金型もそのまま使うが、設計・加工した2社が廃業したため、「甲斐精密」(同市三反田町3)が引き継いだ。
パッケージは大きく変更。透明ケースに入れて販売していた旧製品には、某模型メーカーから「中身を見せるとは何事か」と指摘があった。箱のイラストからイメージを膨らませて部品を取り出すのもプラモの楽しみだといい、今回新たに紙の箱をデザイン。こん包は就労継続支援B型「尼崎あぜくら作業所」(同市若王寺3)が担った。
プラモデルの部品数は9点で、うち7点を使って高さ5・5センチのしゃちほこを組み立てる。残り2点は「尼崎城」の銘板と、250分の1サイズのしゃちほこ。税込み1200円。尼崎城やあまがさき観光案内所(同市神田中通1)で販売している。同案内所TEL06・6409・4634