姫路市北部にある雪彦山から名前が付いた希少植物「セッピコテンナンショウ」が今月中旬、市立手柄山温室植物園(同市手柄)で初めて花を咲かせた。同園では2018年夏、国立科学博物館筑波実験植物園(茨城県つくば市)から譲り受けた種子の栽培を開始。約6年かけて3株を開花させた。同園職員は「地元の植物を地元の植物園で開花させたことは、大きな意義がある」と喜ぶ。(辰巳直之)
テンナンショウは、サトイモ科の多年草。花を包む筒状の「仏炎苞(ぶつえんほう)」を備え、国内で53種類が確認されている。このうち「セッピコ-」は1949年、植物分類学者の故・北村四郎京都大名誉教授が雪彦山で発見し、命名した。県内のみに生える唯一の植物で、近年では播磨、但馬地域の山間部で3カ所の自生地が確認されている。県レッドデータブックのAランクで、仏炎苞全体は濃い紫褐色に白い筋が走る。