火災現場で逃げ遅れた高齢女性の救助に貢献したとして、姫路西消防署は2日、会社員の山田琉生さん(21)=姫路市西延末=に、市の善行賞「しらさぎ賞」を伝達した。山田さんは「女性が無事退院したと聞き、安心しました」と顔をほころばせた。
山田さんは8月9日午後7時半ごろ、仕事帰りに自宅近くで民家火災に遭遇した。家屋の随所から炎と黒煙が上がっており、現場に駆け付けると、住人の女性(70)が2階のバルコニーから助けを求めていた。
女性の背後に炎が迫る中、山田さんは現場に到着した救急隊とともに、4人で毛布を広げ「飛び降りて」と何度も呼びかけた。意を決した女性は、高さ約3メートルのバルコニーから滑り落ちるようにして毛布に飛び降りた。女性は喉などにやけどを負い、着地した際に鼻を打ったが、命に別条はなかった。
山田さんは賞を受け「気恥ずかしい」と笑みを浮かべ、「今振り返ると、木材がはじける音もして、危険だったと思う。女性を助けたい一心で、アドレナリンが出ていたのかも」と冷静に語った。(成 将希)