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3年生に伝える会を前に、発表の練習に励む5年生=神戸市立西灘小学校
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3年生に伝える会を前に、発表の練習に励む5年生=神戸市立西灘小学校

 1995年1月17日の阪神・淡路大震災で、神戸市立西灘小学校(同市灘区)5年の浅井亜希子さん=当時(11)=が亡くなった。「アッコちゃん」と呼ばれて慕われた少女のこと、そして震災のこと。同小の5年生たちが授業で学んでいく様子を、シリーズ「震災って何?」で報告します。

 神戸市立西灘小学校(同市灘区)5年生の学びは終盤に入った。2月上旬。子どもたちは昨年秋からの学習成果を3年生に伝える準備にとりかかっていた。

 5人くらいずつの班に分かれ、アッコちゃんのこと、震災のこと、地域を歩いて作った防災マップのことを発表する。画用紙やパソコンを使い、クイズも交えて関心を引く。

 「分からへんことあったら、聞きな」。2組担任の長谷川雄大先生(24)が言う。児童は自作の原稿を読み上げる練習を始めた。1人の発表時間は3分から3分50秒まで。タイマーを片手に繰り返す。

 尾●文香さん(11)は気を引き締める。「アッコちゃんのお母さんが地震で建物の下敷きになって、手が見えないほど暗くて怖かったと話してくれた。3年生にはイラストをつけて、分かりやすく伝えたい」

 本番に向けた練習会も開いた。教室や多目的ホールで1組と2組の班が交互に発表し、助言し合う。「優しくて、サケの皮が好きで、かわいかったそうです」。女子児童はアッコちゃんの人となりや、校門横に立つ「アッコちゃんの時計」を紹介。男子児童は調べた震災時のデータを伝え、「みなさんは非常食を知っていますか」と備蓄を呼びかけた。

 学習をきっかけに家族で震災について話し合った栗尾朝奈さん(11)は「3年生に、地震のつらさやアッコちゃんのことを心に残しておいてほしい」と気持ちを高める。

 いよいよ本番の日がやって来た。

※注:●は「崎」の異体字「立つ崎」

【バックナンバー】
(10)先生 それでも子どもたちに伝えたい
(9)1・17 風化防ぐため学び、伝える
(8)発表 防災マップ危険箇所は?
(7)目線 引率は大学生一緒に学ぶ
(6)校区 備えと危険歩いて把握
(5)検索 こんな火事、想像できない
(4) 命  娘の声が聞こえる気がした
(3)朗読 母娘2人でふたつの命支えた
(2)日常 生きてたら、友達になりたい
(1)時計 同じ学校、同い年の子死んじゃった

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