神戸市東灘区の電器店主が独自に開発した「高齢者見守りシステム」が、7~8日に神戸国際展示場(同市中央区港島中町6)で開かれる西日本最大級の産業総合展示会「国際フロンティア産業メッセ2023」に出展される。地域で高齢化が進む中、お客さんの孤独死に直面したことをきっかけに、約10年前から開発に着手。改良を重ね、今回出展するのは、お年寄りが専用端末のボタンをつまめば、遠方の家族が指の筋力の変化と安否をチェックできる新システムだ。(中島摩子)
高齢化が顕著な東灘区の渦森台地区で「ひより電器」を営む池上秀治さん(60)。医療機器メーカーを退職し、2009年に一念発起して開店すると、1人暮らしのお年寄りらから、修理などの困りごとが毎日のように寄せられた。その中で、孤独死に対する切実な不安を耳にし、実際に死後数日たってから発見されるケースもあったという。