生前最後となったインタビューで動物への思いを語った佐藤哲也さん(2023年11月30日)
生前最後となったインタビューで動物への思いを語った佐藤哲也さん(2023年11月30日)

 3月に67歳で亡くなった神戸どうぶつ王国(神戸市中央区)の前園長佐藤哲也さん。生前、自身の生涯や動物園の将来について語っていた。動物主体の視点で生き生きした姿を来園者に見せることに重きを置き、国内外の希少種保護にも汗を流した。先を見通して突き進む姿に、多くのスタッフや同業者から尊敬のまなざしで見られた。たくさんの動物に愛情を注ぎ続けた生涯を紹介する。(安藤真子、門田晋一)

 「子どものころに触れた動物文学が原点」。シートン、ビアンキ、戸川幸夫…。作品を通して動物に思いをはせたと振り返る。特に小学生のときに見た映画「子鹿物語」(1946年)は心に刻まれた。子どもと子鹿の交流を通し、生き物との共生の難しさを描く。「動物を守ることを考えるようになったのは、この作品のおかげ」と懐かしんだ。