ただの散歩なのか、それとも…。はた目には見分けがつかない=三木市内
ただの散歩なのか、それとも…。はた目には見分けがつかない=三木市内

 昨年12月中旬のある晩、1人の高齢女性が三木署を訪れ「お父さんがまたいなくなった」と行方不明者届を出した。

 三木市で妻と2人暮らしの男性は75歳。認知症がかなり進んでいて「かろうじて名前が言える程度」(三木署員)だった。妻によると、男性に所持金はなく、車も運転できないという。

 妻は、男性に衛星利用測位システム(GPS)発信器を持たせていたが、途中で捨てたのか、発信は三木市内で途絶えていた。

 翌日の夕方、男性が見つかったのは加古川市内。歩き疲れ、道ばたに座り込んでいた男性を通行人が心配し110番。加古川署員が保護した。男性は11月にもひとりで西脇市まで歩き通し、妻が三木署に届け出ていた。

 「徘徊(はいかい)」と呼ばれる行動だ。警察庁によると、2024年の行方不明者約8万2500人のうち、疑いがある人も含むと認知症の人は1万8121人。県内では延べ1454人に上る。

 ある三木署員が「三木市外でのことだが」と断った上で次のように話す。

 「徘徊」を繰り返す1人暮らしの80代女性がいた。携帯電話もGPSも持たず、近くに住む家族も気付かないうちに家を出て行くため捜索も難しい。1回、2回、3回は無事に保護したが、家族には「無事に発見できたのは奇跡に近い。しっかりと対策を」と厳しく言い聞かせた。