兵庫県の歴史や文化を巡る映像が体験できる展示「HYOGOミライバス」=23日午前、大阪市此花区

 4月13日に開幕する大阪・関西万博で、兵庫など9府県が出展する「関西パビリオン」が完成し、大阪市此花区の人工島・夢洲で23日、報道陣に公開された。兵庫県ゾーンでは、過去から未来へと巡る映像を体験する「HYOGO(ひょうご)ミライバス」が上映された。

 関西パビリオンは兵庫、滋賀、京都、奈良、和歌山、鳥取、徳島、福井、三重が出展。外観は白い膜に覆われた六角形で、施設前に淡路瓦を渦巻き状に並べたデザインが施された。

関西パビリオンの兵庫県ゾーンで天井から来場者を出迎える折り紙のコウノトリ=大阪市此花区

兵庫県ゾーンの回廊天井で光を投げかけるステンドグラス=大阪市此花区

 入場すると高さ12メートルの吹き抜け空間が現れ、府県の展示が並ぶ。兵庫県ゾーン入り口で出迎えるのは、県内の子どもたちが作ったコウノトリの折り紙約700個。回廊を進むと播磨の金物や神戸ルミナリエなどを描いたステンドグラスが光を投げかける。

兵庫県の歴史や文化を巡る映像が体験できる展示「HYOGOミライバス」=23日午前、大阪市此花区

 ミライバスは幅9・8メートル、高さ3・6メートルの湾曲したスクリーンに、英語字幕付きで約10分間、映像が流れる。時空を超えるバスに乗り、炎が揺れる丹波焼の登り窯の中やコウノトリが舞う大空などを巡り、阪神・淡路大震災から復興へ向かう人々の姿も描かれる。

関西ゆかりのデザイン画が施された関西パビリオンの入り口=大阪市此花区

 他府県のゾーンでも、本物の砂で再現した鳥取砂丘で名探偵の気分を楽しむ鳥取や、京瓦のタイルで空間を演出する京都など、独自色がある展示が並ぶ。

 23日は各府県知事らも訪れ、兵庫県の斎藤元彦知事は「多くの人に兵庫へ来てもらえるよう、関西パビリオンで魅力を発信する」とPRした。万博は10月13日までで、関西パビリオンの入場は予約が必要。(岩崎昂志)

9府県が共同出展する「関西パビリオン」の入り口周辺=大阪市此花区

関西パビリオン前に設置された淡路瓦。渦巻き状に並べられ、特産品をPR=大阪市此花区