18歳未満の入城料が一律で無料となる姫路城=6日午後、姫路市本町(撮影・辰巳直之)
18歳未満の入城料が一律で無料となる姫路城=6日午後、姫路市本町(撮影・辰巳直之)

 姫路市は6日、見直しを進めている世界文化遺産・国宝姫路城(同市本町)の入城料について、2026年から新料金とする方針を明らかにした。18歳未満は居住地を問わず無料(現行は小中高生300円、未就学児無料)とし、18歳以上(同千円)については市民は現行程度、市外からの観光客は2千~3千円に引き上げる方向。外国人のみを値上げする案は見送った。

 同日の市議会定例会で市側が説明した。18歳未満を一律無料とするのは、城の魅力を世界中の子どもに発信するのが狙い。リピーターを獲得するため、入城料2回分ほどの価格で購入できる年間パスポートも導入する。各料金は25年3月に正式決定する。

 また25年の大阪・関西万博の会期中は、来城日時を指定して購入するデジタルチケットも試験的に販売する。

 市は石垣の耐震化など城の維持管理費を確保するため、料金体系の見直しに着手。23年度の総入城者数(約148万人)のうち、有料で入城した小中高生は約12%に当たる17万7千人で、減収分は18歳以上の値上げでカバーできると試算する。全体の入城料収入は増える見込みといい、増収分は江戸期の職人らの作業場「作事場」の復元や、手荷物預かりサービスなどの新規事業にも充てる。

 清元秀泰市長が国際会議などで言及した外国人料金の設定は「時期尚早」として見送った。(井上 駿、真鍋 愛)