近い将来、発生が懸念される南海トラフ巨大地震で、兵庫県は県内で最大約2万9100人が犠牲になると推計する。洲本、南あわじ市は最大震度7、神戸や姫路市などは同6強の激しい揺れに襲われ、南あわじ市には高さ1メートルの津波が最短44分で到達する恐れがある。最大津波高は同市が8.1メートル、都市部の尼崎市でも4.0メートルと想定される。災害からどう命を守るのか。県内各地で「いつか来る日」に備えた取り組みや模索が続く。
■8メートル超の津波予想、昼夜訓練 南あわじ・福良地区

南海トラフ巨大地震の発生時、県内で最も高い津波が想定される南あわじ市福良地区。県が2024年11月、福良湾に全長1・1キロの湾口防波堤を整備するなどハード面の対策が進む中、地区の22自治会を中心に、市民らが避難訓練や避難路の見直しに取り組んでいる。
福良地区は淡路島南部に位置する。南海トラフの県の被害想定では、最大で高さ8・1メートルの津波に襲われ、夏の昼間に発生した場合の犠牲者は市内全域で1473人に上る。
11年の東日本大震災後、福良など南あわじ市内の自治会は被災地・宮城県南三陸町を視察に訪れ、津波の被害を目の当たりにした。震災時、福良地区にも避難指示は出たが、避難した住民は少なかった。それまでも南海トラフで県内最大級の津波が来ると想定されていたが、さらに津波防災への意識が高まった。
その後、昼間だけでなく早朝や夜にも避難訓練を実施。近年は南あわじ市が市内全域で開く年1回の総合防災訓練に合わせ、地区独自の訓練に取り組む。地元小学校と自治会が協力し、幅広い世代が炊き出しや避難所開設などを経験する。























