「バーの街・神戸」をPRし、バー文化を広めるため、神戸市中央区下山手通2で「BAR A-SOLUTIONS」を営む秋宗勝博さん(54)が、バーテンダー体験やカクテル教室、ウイスキー教室を開いている。初心者だけでなく、プロが技術や知識を高めるために参加することもあるという。秋宗さんは「知識が増えれば、楽しみ方も増える。神戸のバーを訪れるきっかけにしてほしい」と話す。(斉藤正志)
7月9日、店内で開かれたカクテル教室には男女2人が参加した。
テーマは「モヒート」。秋宗さんは「ベースはラムですが、実はジンでもウイスキーでもおいしいんです」と説明。参加者は、グラス内のライムやミントなどをつぶし、クラッシュアイスとラムを入れた。
スイカを使った「オリジナルモヒート」作りにも挑戦。秋宗さんのお勧めの「コーヒーモヒート」も味わっていた。
秋宗さんは、リーガロイヤルホテル(大阪)や神戸メリケンパークオリエンタルホテルのバーでバーテンダーを務め、2013年に現在の店を開業。バーテンダー歴は33年に上る。
ボトルやシェーカーを投げるなど、華麗なアクションをしながらカクテルを提供するフレアバーテンディングでは、「全日本フレア・バーテンダーズ協会」の兵庫ブロック・リーダーを務める。
教室開催は14年から店内で始めた。「港町神戸のバー教室」と名付けた。
バーテンダー体験では、ボトルの扱い方や注ぎ方のほか、シェーカーの握り方、振り方、姿勢などを、実技を交えて教える。参加者は、実際にギムレットやホワイト・レディーといったスタンダードカクテルを作る。
ウイスキー教室とカクテル教室では、原料や製造工程など基礎知識を説明。ウイスキー教室では3種類をテイスティングし、カクテル教室では2種類を実際に作る。
いずれも基本的に初心者向けだが、要望に応じてレベルを変えており、これからバーの開業を考えている人が訪れることもある。プロのバーテンダーには、季節によってシェーカーの扱い方が変わることなど、専門的な知識も伝える。中学生がバーテンダー体験に参加した際は、ノンアルコールで対応したという。
「ウイスキーの飲み方だけでも10種類ある」と秋宗さん。ハイボール、水割り、お湯割り、ソーダ割り、ロック、ストレート、ハーフロック、ミスト、ウイスキーフロート、ウイスキーカクテル。
「例えばハイボールにレモンのピール(皮)を付けるだけで、香りも見栄えも全然違う。少し学ぶだけで、ウイスキーの飲み方やオーダーの仕方の引き出しが増え、バーをより楽しめる」と話す。
各教室は、午前10時から、原則バーの開店する午後5時までの間に開催(1時間4500円)。予約制。参加者の要望に応じて内容は変更可。「モヒートの教室をしてほしい」などの希望があれば応じるという。
「『バーの街・神戸』にはオーセンティックバーやホテルバー、ワインバー、カクテルバーのほか、音楽に力を入れているバー、個性的なマスターがいるバーなど多彩な店がある」と秋宗さん。
「いろいろ巡ってみて、自分の好きなバーを持っておき、その日の気分によって使い分けてみるのがお勧めです」と笑顔を見せた。
同店TEL078・335・6092
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バー初心者のために、初めての店を楽しむためのこつや、注文の仕方、店内での過ごし方などを、秋宗さんにQ&Aで解説してもらいました。
バー入門<1>いちげんさん大歓迎 意外にハードルが低い大人空間の楽しみ方 女性1人でもOK
バー入門<2>カクテルで楽しむ季節感 予算はどれくらい
バー入門<3>1人でも複数でも 使い方いろいろ タイプ別に行きつけを