真鍮泥が使われていた仏画「紺紙金泥釈迦三尊十六羅漢像」。中央に釈迦三尊、残り4枚に羅漢が描かれている(太子町提供)
真鍮泥が使われていた仏画「紺紙金泥釈迦三尊十六羅漢像」。中央に釈迦三尊、残り4枚に羅漢が描かれている(太子町提供)

 斑鳩寺(太子町鵤)に所蔵されている国指定重要文化財の仏画「紺紙金泥釈迦三尊十六羅漢像(こんしきんでいしゃかさんぞんじゅうろくらかんぞう)」の画材に、真鍮(しんちゅう)の粉を溶いた「真鍮泥」が使われていたことが分かったと、太子町が発表した。同画には金の粉を溶いた「金泥」などが用いられていると考えられてきた。真鍮の利用が一般化するのは江戸時代で、平安期の11世紀後半に描かれたとされる同画への使用は、国内最古とみられるという。(西竹唯太朗)