神戸医療未来大学(兵庫県福崎町高岡)の留学生が、近くの応聖寺(同)にある茶室でお茶席を体験した。同大では近年、留学生の入学が増えており、身近な場所で日本の文化に親しんでもらおうと初企画。浴衣をまとい、慣れない動きに苦戦しながらも、礼儀やおもてなしの心を体感した。
同大では日本語学校へのPRに注力しているほか、4月に新設したビジネスについて学べる学科が人気で、昨年度と本年度に計約140人の留学生が入学。全学生の3分の1近くを占めるようになった。町内の小学校と交流するなど地域での活動を広げる中、日本の歴史や魅力に触れてもらうため、同寺に協力を依頼した。
スリランカやモンゴル出身の留学生ら16人が参加し、同寺の茶会に携わる裏千家正教授の中野宗鼓さんが講師を務めた。学生は床の間に飾られた掛け軸や花を鑑賞する作法を教わり、畳の縁の越え方や扇子の扱い方を実践で学んだ。
茶菓子と茶を味わった後には、実際に茶せんで茶をたてて友人に振る舞った。茶の苦味に驚いたり、正座で足をしびれさせたりしながらも、真剣な表情で講師の動きをまねていた。
ミャンマーから来た同大2年のシュエイーウィンさん(23)は「ドラマで見て興味を持っていたので体験できて楽しかった。日本人の丁寧な動きは簡単そうで意外と難しい」と苦笑いしていた。(喜田美咲)