顧客の詐欺被害を防いだとして、福崎署は但陽信用金庫福崎支店(兵庫県神崎郡福崎町西田原)とローソン神崎南インター店(兵庫県神崎郡神河町福本)の従業員戸田祐輔さん(36)に署長感謝状を贈った。日ごろから「高額」「高齢者」など、気になる点があればためらわず声をかけるという心がけが生きた。
同支店では8月中旬、神崎郡内の60代女性が2日連続で来店し、高額な振り込みをしようとしたため、鷲尾成一次長が理由を確認。面識はないがネット上で株式運用を教わる人の指示で投資資金を送ろうとしていたため、詐欺だと説得し、警察につないだ。同署によると、その人とはメッセージアプリで突然友達に追加されて知り合い、利益が出たように見えるグラフも示されていたという。
ローソンの戸田さんは8月下旬、70代男性客が7万円分の電子マネーカードを購入しようとしたことから詐欺を疑い、用途を尋ねた。男性が「パソコンの画面に金を払うよう指示する表示が出た」と話したため、詐欺の手口であることを伝え、警察に通報。男性はパソコンに表示された電話番号先の相手と通話したまま来店しており、相手は片言のような話し方だったと説明したという。戸田さんは「身近にもだまされる人がいると分かったので、より慎重に目配りしていきたい」と話した。
同署の芳本忠佳署長は「日ごろから客のことをよく見ている証拠。これからも一体となって詐欺被害の防止に努めたい」と感謝を述べた。(喜田美咲)