がん種ごとの5年生存率の変化
 がん種ごとの5年生存率の変化

 国立がん研究センターは19日付で「地域がん登録」を基にした2012~15年にがんと診断された人が5年後に生きている割合「5年生存率」を公表した。15~99歳では前立腺、甲状腺、皮膚が90%以上と高い一方、膵臓は10・5%と低い。1993~96年に診断された人と比較すると、多くのがん種で向上したが、ぼうこうや子宮頸部は低下した。担当者は「低下の明確な要因は不明で、今後調べる必要がある」と話している。

 2012~15年診断分では、男性は前立腺94・3%、皮膚90・9%、甲状腺88・6%が高く、女性は甲状腺92・7%、皮膚92・4%、乳房88・7%が高い。早期発見が難しい膵臓は男女ともに10%台と低かった。

 患者の多いがんでは大腸67・2%、胃63・5%、肺35・5%。小児は全がんで82・3%だった。

 1993~96年診断分との比較では、男性の前立腺が34・9ポイント高くなったほか、男女ともに悪性リンパ腫や多発性骨髄腫などで大きく向上した。一方、ぼうこうは男女とも低下し、女性の子宮頸部もわずかに下がった。