梅の名所「綾部山梅林」(兵庫県たつの市御津町黒崎)で長年、観梅客から愛されてきた梅果汁入り缶ジュース「綾部山梅林・うめ」が、今シーズン限りで販売を終了する。昨年、スチール缶に使う特殊なシートの生産を、委託先の業者が停止したため決断した。代替の製造方法も模索したが、コスト高で採算に合わないという。梅林の管理を担う黒崎梅園組合は「今売っている製品で最後。味わって飲んでほしい」と呼びかける。(西竹唯太朗)
梅林は、地元の黒崎地区の住人が同組合を立ち上げて1976年に開園した。同組合によると、ジュースは少なくとも30年以上前から梅林を象徴する土産として製造・販売されていた。傷が付いた梅の有効活用策として始まったという。
収穫した青梅を果糖で約2カ月間漬け込んだ後、約80度まで加熱させて発酵を抑制し、ジュースに仕上げる。「青梅はすぐに漬け込まないといけないので、かなり骨の折れる作業」と、同組合の永野政幸組合長(76)。出来上がったジュースは、委託する姫路市の飲料メーカーに送り、缶に詰めて完成させる。年平均で3万3千本ほどを作っていたという。190ミリリットルの小ぶりの缶が特徴で、甘酸っぱい味わいにリピーターも多かった。
だが、梅の酸味がスチール缶内側の金属成分と混じることを防ぐシートの供給元が昨年に製造を終了。ペットボトルなどへの変更も考えたが、原料の梅の収量が同じまま容器が大きくなることで「製造本数が減り、収支が合わない」と断念したという。
開園当初に50人以上いた組合員は、現在3分の1以下に。平均年齢は70歳を超え、急斜面での収穫や剪定(せんてい)などの作業は年々厳しくなっている。永野組合長は「状況的に仕方がないが、ファンも多いだけに残念だ」と遠くを見つめた。
1本130円。販売は観梅が終了する今月22日まで。残り本数が少ないため、今シーズンは入園者へのジュースの無料配布は実施していない。綾部山梅林TEL079・322・3551

























