出産後の母子をサポートする「産後ケア事業」が急速に広がっている。病院や助産所で母親の不安に寄り添い、育児相談やケアにあたるもので、宿泊型や日帰りの通所型などがある。国の目標は2024年度末までの全国実施。兵庫はすでに全市町で実施中というが、負担額や施設数には地域差が出ている。(久保田麻依子、中島摩子)
子育てする母親の孤立、乳幼児虐待、産後うつなどが課題となる中、ケア事業は政府が推進。自治体が委託した助産所などで、育児相談や指導、発育チェックなどが受けられる。母子の食事も提供される。
兵庫県内で先進的に取り組んできたのが神戸市だ。14年度に始め、その後も自己負担額の軽減、利用対象の拡大を進めてきた。現在は宿泊型と通所型それぞれ7日ずつ利用でき、宿泊は1泊2日で6千円、通所は午前9時から午後5時で2千円という(生活保護世帯などは別)。
ケア施設は年々増加し、現在30カ所。19年度の宿泊と通所の年間利用者は計189人だったが、22年度は計1612人と3年で約8・5倍に増えた。