神戸市須磨区の須磨海岸で23~29日、高度な自動運転ができる小型バスの無料体験乗車会がある。バスはJR須磨駅南側を発着し、砂浜に整備された管理用道路約1・2キロを走り、再整備が進む須磨海浜公園を結ぶ。企画した同市は体験乗車によって、同駅から海岸線の景色を楽しみながら移動できる自動運転バスの需要を探りたいとしている。
使われるのは、エストニアの企業が製造した電気自動車(EV)の小型バス「MiCa(ミカ)」。特定の条件の下、ドライバーなしで走行できる自動運転レベル4に相当する。ソフトバンク子会社「BOLDLY(ボードリー)」(東京)が自動運転車両を管理するシステムを開発した。
22日、須磨海岸で報道機関を対象に試験走行が公開された。係員1人を含む8人が乗車でき、3カ所の停留所を置いた管理用道路を時速約12キロで走行。進路に人や自転車を感知すると減速し、カーブをなめらかに曲がる。障害物があると自動で回避でき、駐車されていた乗用車もよけた。
明石海峡大橋を望む眺望など、観光面での需要も期待できるといい、同市海岸防災課の森本良二課長(59)は体験乗車を通じて「海岸エリア一帯の魅力を皆さんに感じてほしい」と話す。
体験乗車は無料で、23日は午前11時~午後1時、午後3時半~6時半。24~29日は午前10時~午後1時、午後3時半~6時半で、いずれも30分間隔で運行する。JR須磨駅前、中央広場、「願いの椰子の木」付近の東広場の3カ所を巡回する。LINEのQRコードで事前予約(4人まで)ができる。予約がなくても、座席が空いていれば最寄りのバス停から乗車できる。(劉 楓音)